2011年11月08日 16:00 〜 17:00 10階ホール
マイクロクレジットの現状 2011年報告書発表

会見メモ

左から

岡本直彦(日本リザルツ)、黒崎卓(一橋大学教授)、狩野伊知郎(日本リザルツ)


司会 日本記者クラブ企画委員 宮田一雄(産経新聞)


日本リザルツ(RESULTS Japan)のホームページ

http://www.resultsjp.org/


マイクロクレジットサミットキャンペーン(The Microcredit Summit Campaign)のホームページ

http://www.microcreditsummit.org/


会見リポート

世界人口の9%が受益者

宮田 一雄 (企画委員 産経新聞特別記者)

途上国の貧しい人たちの自立を支援するマイクロクレジット(少額融資)は、バングラデシュの経済学者で、グラミン銀行総裁だったムハマド・ユヌス氏が2006年にノーベル平和賞を受賞し、一躍、世界で注目された。会見では年次報告書「マイクロクレジットの現状」2011版の日本語版刊行を機会に、翻訳を担当した特定非営利活動法人日本リザルツから狩野伊知郎氏と岡本直彦氏、および監修にあたった一橋大学の黒崎卓教授が、最近の動向を報告した。


報告書が集約した2009年末時点のデータでは、最貧困層の利用者は1億3000万人に達し、このうち1億人以上が女性だった。1家族5人とすると受益者は世界人口の9%に相当する。また、アジアだけでなく、アフリカ、中南米、中近東など地域的にも大きく広がっている。資金融資だけでなく、貯金や健康保険、送金などにも機能を広げ、「マイクロファイナンス」の考え方が主流になっているのも最近の大きな傾向だという。


利用者、地域、機能の拡大は潜在的ニーズを掘り起こし、それに対応してきた結果といえるが、一方で供給側の課題も大きく浮上している。貧困削減や貧困女性の救済といったマイクロクレジット本来の使命を逸脱し、高利で金を稼ごうとする機関も見られるからだ。こうした状態に対応するため、マイクロファイナンス機関に対する「優良証書」制度の創設も現在、検討されている。


また、グラミン銀行総裁を解任されたと伝えられるユヌス氏の動向については、記者側の質問に対し「実質的なグラミン銀行の指導者であることに変わりはないのではないか」との見方が示された。


ゲスト / Guest

  • マイクロクレジットの現状 2011年報告書発表 / State of the Microcredit Summit Campaign Report 2011

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