2011年10月19日 14:30 〜 15:30 10階ホール
中川正春 文部科学相 記者会見

会見メモ

司会 日本記者クラブ企画委員 和田圭(フジテレビ)


文部科学省のホームページ

http://www.mext.go.jp/


会見リポート

除染はチルドレン・ファーストで

玉木 研二 (毎日新聞専門編集委員)

ご本人が言うように「守備範囲」が大変広い。この日も原発事故対策を中心に大学改革、基礎科学研究の充実、電子書籍をめぐる著作権、そして大相撲などと話柄は移った。


焦眉の急として対応を迫られると同時に、将来へ骨太いビジョンも求められる原子力問題。政府は新政策大綱の策定に入った。原発の基幹電源としての位置づけや核燃料サイクルや高速増殖炉などをめぐる計画、構想も洗い直され、来夏には基本的方向づけがなされる見通しだ。


文科省は研究開発を担うが、大転換期ゆえに関連予算の概算要求では、基本政策が整うまでの暫定的なものにした。ただ原子力の安全や基盤を支える研究、人材育成は「途絶えさせてはいけない。今後もしっかりやっていく」と語った。


国民にはさらに重大事である放射能のモニタリングや除染。中川氏は「測定は陸海空で拡充し、除染は学校、通学路、公園など子どもの集まりそうなところを『チルドレン・ファースト』で進める」と強調。ただ、海外の知見も入れて除染技術をもっと開発する必要があるという。


ホットスポットは民間の団体や自治体が独自に調べている。バラバラにならないよう、ガイドラインを作ったり、文科省に情報を集約する窓口を設けることを明らかにした。


ただ問題の根源には事故後の不手際や不備、失敗で広がった「不信」と「不安」がある。「安全基準」もブレたりして「何をあてにできるのか」「国は情報を隠しているのではないか」という声が上がっている。


故郷を離れた多くの転校児童・生徒ら、不安定な境遇になりがちな子どもたちの安全安心、あるいは学力をしっかり支え、守っていけるか。


深く傷ついた信頼の回復と教育行政トップとしての重大な責任はそこにかかっているといえる。


ゲスト / Guest

  • 中川正春 / Masaharu NAKAGAWA

    日本 / Japan

    文部科学相 / Minister, The Ministry of Education,Culture,Sports,Science & Technology in Japan

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