2011年10月26日 12:00 〜 13:30 10階ホール
ブルース・ミラー 新駐日豪大使 昼食会

会見メモ

司会 日本記者クラブ企画委員 脇祐三(日本経済新聞)

日本語スピーチテキスト(オーストラリア大使館ホームページ)

http://australia.or.jp/speeches/dfat_20111026.php


会見リポート

緊密化増す もう一人のトモダチ関係

千野 境子 (産経新聞特別記者)

駐日大使のデビュー会見。会場には打ち解けた、どこか穏やかな雰囲気が終始、漂っていた。


基調講演も質疑応答もすべて日本語、日本専門家、顔見知りの記者も多い。だが理由はそれだけではあるまい。やはり現在の良好な日豪関係と将来性あってのことと思いたい。


中でも近年、とみに緊密化を増しているのが安全保障分野だ。東日本大震災でも米国以外の国では唯一空輸支援を行い、日米豪連携作戦が奏功した。もう一人のトモダチ。そんな風に呼びたくもなるような関係が生まれつつある。


ミラー大使も戦略・防衛協力の分野における向こう5年の課題として①包括的な法的枠組みの整備②その実行を上げた。どういう形になるかは「これからの議論」と無難な答弁だったが、新大使にとっても大きな仕事の一つになるに違いない。


このほかAPEC誕生の原動力となった日豪のパートナーシップの重要性、日豪経済連携協定の迅速な締結、人的交流の拡大など広範囲にわたって自らの熱い思いも込めながら、しかし静かに抱負と課題を語った。


もっとも日豪には捕鯨の対立がある。これも厳然たる現実だ。「日本人から見ると理解出来ない」との質問に「オーストラリア人の96~97%は反対です」とここは国益を背負う大使も譲れない。もちろん日本にも国益がある。しかし「この問題で関係を損なってはならないという点では両政府は一致しています」とも。


同感だ。それにはシーシェパードの暴力行為など感情的対立をエスカレートさせるような芽を摘む不断の努力も重要な外交課題だろう。


11歳の時、「何か外国語を学ぶならアジアの言葉を選びなさい」との父親の一言が日本・日本語との出会いという。示唆に富んだエピソードとして強く印象に残った。


ゲスト / Guest

  • ブルース・ミラー / Bruce Miller

    オーストラリア / Australia

    駐日オーストラリア大使 / Ambassador to Japan

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