2011年10月18日 15:30 〜 16:30 10階ホール
シリーズ企画「3.11大震災」 永田哲朗 日本風力発電協会代表理事

会見メモ

司会 日本記者クラブ企画委員 川村晃司(テレビ朝日)


日本風力発電協会のホームページ

http://jwpa.jp/


会見リポート

潜在力大きい洋上風力発電に期待

銀木 晃 (日本経済新聞産業部)

「東日本大震災後、再生可能エネルギーに注目が集まっているが、風力発電を知っている人と、そうでない人はギャップがある」と永田氏は過剰な期待を排するように慎重な物言いで語る。「風力発電を町おこしや村おこしなどのマイナーなものと思っている人が多い」と指摘しながらも「世界全体では日本の電力需要を十分に賄える設備がある」と言及。日本の風力発電最大手、ユーラスエナジーホールディングスの社長でもある永田氏は、風力発電の実力は十分にあると自信を見せる。


東日本大震災という未曽有の大災害による東京電力福島第1原子力発電所の事故を受け、電源構成に占める原発の比率は当初計画よりも低下するのは避けられない状況。風力や太陽光発電など再生可能エネルギーに注目が集まっているが、「再生可能エネルギーは政策次第で伸び方が大きく変わる。国民の強い意志があれば伸びる」と、普及促進のための環境整備を強く求める。


風力や太陽光で発電した電気を全量、固定価格で買い取る制度が関連法の成立により2012年7月をめどに導入されることになった。ただ、同制度の導入を見込み、補助金は先行して段階的に縮小されてきただけに、「風力発電でつくった電気は1キロワットアワー当たり20~24円で買い取ってもらいたい」と注文を付ける。


風力発電の拡大のため、新たな立地先として目を向けているのが海だ。「風が安定して吹く洋上なら、稼働率は陸上よりも高まる」とみる。海に風力発電所を建設する洋上風力発電は欧州が先行し、まだ日本では一部が試験的に稼働している段階だが、陸上では風が良く吹く場所の開発が進み、適地は徐々に減ってきている。島国の日本は海に囲まれているだけに「洋上風力発電の潜在力は大きい」と期待をかけている。



ゲスト / Guest

  • 永田哲朗 / Tetsuro NAGATA

    日本 / Japan

    日本風力発電協会代表理事 / Japan Wind Power Association

研究テーマ:シリーズ企画「3.11大震災」

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