2011年09月22日 14:30 〜 16:00 10階ホール
藤井裕久 民主党税制調査会長

会見メモ

司会 日本記者クラブ企画委員 小此木潔(朝日新聞)

内閣府税制調査会のページ

http://www.cao.go.jp/zei-cho/index.html


会見リポート

消費税完全目的税化 高齢者、子育てに

小此木 潔 (企画委員 朝日新聞編集委員)

メモの一枚もなく、立て板に水の語り口で消費税の歴史と課題をひもといた。野田政権がめざす消費増税は社会保障のためであり、財政赤字の穴埋めではない、という論理が印象に残った。


細川政権の蔵相、鳩山政権の財務相など重責を担ってきた税財政の生き字引のようなベテランの面目躍如。成長至上主義に対する往年の反省のキーワード、「くたばれGNP」まで引き合いに出し、社会保障の充実が歴代政権の課題だったことを紹介した。大平・中曽根政権が増税に失敗したことについて、「一般財源の穴埋めに使おうとしたため、公のムダを多くの人に負担させるのか、と受け止められた」と説明。その明快さに、筆者も驚いた。


竹下政権による消費税導入と、その税率を3%から5%に引き上げた橋本政権も、「主として社会保障に使うと言っていたが、誰も信じなかった」と断じた。さらに、政府が予算総則で消費税収を年金、医療、介護の「高齢者3経費」に使うとうたってきたが、保証されていない、と歯切れ良く解説。


こうした率直な反省の上に、藤井氏は「社会保障と税の一体改革」の核心が「消費税を会計的にも法律的にも完全目的税にする」ことにある、と強調した。消費税を高齢者3経費と子育て費用も加えた4経費の財源に充てると明確にし、国民の不信をぬぐう。それが増税戦略の根幹だというのである。


藤井氏と与謝野・前経済財政相が中心となって作り上げた民主党の「一体改革」成案。「どの党がやっても同じ結論になる」とし、その実現に向けて「命がけでやる」覚悟であると語った。


大震災の復興財源の確保については、党税調の決定を控え、慎重な言い回しに徹していた。


ゲスト / Guest

  • 藤井裕久 / Hirohisa FUJII

    日本 / Japan

    民主党税制調査会長 / Head, the Tax Commission, DPJ

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