会見リポート
2011年08月26日
13:45 〜 15:15
宴会場(9階)
島崎邦彦 地震予知連絡会会長
会見メモ
会見リポート
正しく恐れる情報提供できるか
宮崎 浩一 (静岡新聞社編集局社会部記者)
マグニチュード(M)8・0が想定され、いつ起きてもおかしくないとされる東海地震。静岡県民はこの震源域とともに生きている。東海地震と戦い続けているとも言える。国や県の被害想定を基に自治体や企業、県民はこれまでに、さまざまな対策を講じてきた。
だが、東日本大震災後、その対策は早急な見直しを迫られている。島崎会長は今回の震災被害を「想定外」とした。広い浸水域と破壊力を併せ持つ高波はすべてをのみ込んだ。プレートのずれは最大50㍍にも及んだ。「地震学の敗北」。このような言葉まで使い悔しさをにじませた。
大震災を契機に、静岡県民だけでなく、巨大地震の発生が懸念される地域の住民は、これまでの想定を上回る被害が起きるのでは─と不安を募らせているだろう。
島崎会長は「今回のような地震に完全に対応することは無理」との認識を示し「完全性を捨て、地震を正しく恐れることが必要」と締めくくった。「正しく恐れる」ために必要なことは「情報」だ。我々の責任も重い。減災や自助につながる防災力が備わるようしっかりと伝えたい。
ゲスト / Guest
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島崎邦彦 / Dr. Kunihiko SHIMAZAKI
日本 / Japan
地震予知連絡会会長 / Chair, The Coordinating Committee for Earthquake Prediction (CCEP)
研究テーマ:記者研修会