会見リポート
2011年07月11日
16:00 〜 17:00
10階ホール
フランチェスコ・バンダリン 前ユネスコ世界遺産センター所長 、城之内ミサ 音楽家・ユネスコ平和芸術家
会見メモ
ユネスコの世界遺産センター前所長として世界遺産の登録を担当したフランチェスコ・バンダリン・ユネスコ事務局長補が記者会見し、世界遺産に登録されたばかりの平泉と小笠原諸島や、今後の世界遺産制度について語った。ユネスコ平和芸術家の音楽家、城之内ミサさんも同席した。
司会 日本記者クラブ企画委員 会田弘継(共同通信)
通訳 池田薫(サイマルインターナショナル)
ユネスコのホームページの世界遺産のページ(英語)
世界遺産トーチランコンサートのホームページ
会見リポート
世界遺産総司令官なぜ富士山?
高木規矩郎 (元読売新聞編集委員)
今年春までユネスコの世界遺産センター長として10年間にわたり、300件にのぼる世界遺産登録を指揮し、事務局長補に昇格後も世界遺産行政に隠然たる影響力を持っている。無形遺産など(ユネスコの)文化的な活動で日本政府と協議のために来日。
「審査を受けてから最終的な決定を見るまでは、かなり長いプロセスとなる。3~4年かそれ以上かかる場合もある。とくに遺跡に関しては1~2年たってから再度審査ということになっている」と、私が世界遺産登録推進協議会理事としてかかわる鎌倉に冷や水をあびせるような発言も飛び出した。
来年11月の日本での開催が決まった世界遺産条約制定40周年記念式典については、「条約の下で遺産・遺跡の保存とともに経済の発展を心がけていきたい」。式典のテーマは「世界遺産と持続可能な開発およびローカルなコミュニティーの果たす役割」になった。
会見に同席した作曲家・シンガーソング・ライターの城之内ミサさん。6月末パリでの世界遺産委員会の会場でコンサートを開くなどユネスコ平和芸術家として活躍している。「音楽という新しいメディアを通しての世界遺産の広報活動を展開したい」とバンダリンさんは、息があったところを見せた。
鎌倉と並んで次の登録地として最有力視されている富士山と新規登録されたばかりの平泉を訪れた。なぜ鎌倉に来ないのか。同じ武家社会を背景とする平泉の後だけに鎌倉の登録には影響がないのか。「3日間の滞在なので、時間がなかった。平泉とは共通性があるということだけで問題になるとは思わない。一番重要な判断の要素は顕著な普遍的価値があるかどうかということ」とそつなく答えた。
ゲスト / Guest
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フランチェスコ・バンダリン 前ユネスコ世界遺産センター所長 城之内ミサ 音楽家・ユネスコ平和芸術家 / Francesco Bandarin, UNESCO Assistant Director-General for Culture, Former Director of the World Heritage Centre