2011年07月13日 12:00 〜 13:30 10階ホール
与謝野馨 経済財政担当相 昼食会 与謝野馨 与謝野馨

会見メモ

社会保障と税の一体改革で「2010年代半ばまでに消費税率10%へ引き上げ」をまとめた与謝野馨経済財政相が昼食会で記者会見し、一体改革の歴史的な意義と今後の見通しを語った。


司会 日本記者クラブ企画委員 小此木潔(朝日新聞)


内閣府ホームページの経済財政政策のページ

http://www5.cao.go.jp/keizai/index.html


会見リポート

ポスト菅も「逃げられない」

清水 真人 (日本経済新聞編集委員)

社会保障・税一体改革の「政府・与党成案」を6月30日に取りまとめた責任者。意義と舞台裏を語った。


消費税を社会保障目的税化し、税率を2010年代半ばまでに段階的に10%まで引き上げる「成案」。混迷する民主党政権にあって「絶対まとめる、と動いてくれたのは仙谷由人代表代行だ」と名指しで持ち上げた。


与謝野氏が原案を書いて内閣主導で走り、民主党の社会保障・税抜本改革調査会で異論が噴出して修正を迫る展開だった。調査会長を兼ねる仙谷氏が「見識と迫力ある大立ち回り」で決着に導いたと打ち明けた。


民主党は自民党と違って政策決定は内閣に一元化し、与党に決定権や拒否権は与えない建前だ。今回は「与党を置き去りにせず、多くの議員が自由な議論が展開した点に価値があった」と自民党型の政府・与党調整プロセスへの接近も指摘した。


「成案」の意義は「高齢者だけでなく若者も含む全世代対応型の社会保障の構築」だと説いた。菅直人首相の要請で野党陣営から突然、入閣して「変節」批判も浴びたが「民主党と自民党の(社会保障)政策パラダイムに違いはない」と言い切った。


自民党政権末期に自ら主導した首相直属の社会保障国民会議や安心社会実現会議で「新自由主義との決別」「格差是正や子ども・子育て対策の重視」などの路線転換を進めた経緯に触れ「日本の政治全体が欧州の社会民主主義に近い路線にシフトした」との見解を示した。だから「ポスト菅政権も、自民党も公明党も、この改革から逃げられない」と訴えた。


消費税の増税分5%は「国税収入になる」と説明。税率10%のうち、地方消費税の1%以外は「交付税分も含めて社会保障財源」と強調した。

「よそ者の雇われ職人」として「80点くらいはいただけたのではないか」と自己採点して見せた。


ゲスト / Guest

  • 与謝野馨 / Kaoru YOSANO

    日本 / Japan

    経済財政担当相 / Minister of State for Economic and Fiscal Policy

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