2011年07月07日 14:00 〜 15:00 宴会場(9階)
ミゲール・ルイスカバーニャス メキシコ大使を囲む会

会見メモ

司会 日本記者クラブ専務理事 中井良則

通訳 メキシコ大使館翻訳官 三好勝

駐日メキシコ大使館のサイト

http://www.sre.gob.mx/japon/


会見リポート

ハポンよ、もっと赤ちゃんを

中井良則 (日本記者クラブ専務理事)

2004年の夏といえば、参議院選挙で民主党が勝ったが小泉純一郎政権は続き、だれもが夜更かしをいとわずテレビ観戦でアテネ五輪を応援していた。3・11後のいまから思えば別世界だ。駐日大使に赴任したのはそのころだった。7年もの長きにわたり経験したのは、日本の激しい浮き沈みだっただろう。
お別れ会見で日本人の印象を聞かれると、即座にスペイン語で「シンセリダ―」と答えた。「裏表のない本心からの誠実さ」といった意味になろうか。幸いにして、信頼できる日本人とつきあえたらしい。「日本が世界に示せることはたくさんある。明治維新と第二次大戦に続く三回目の開国が大きな挑戦だろう」と話し、冗談めかして付け加えた。「赤ちゃんをもっと産んで下さいね」。
05年に日本との経済連携協定(EPA)が発効し、貿易は4割以上増えた。日本メキシコ交流400周年にあたった09年には、さまざまな記念行事を催した。大震災では多くのメキシコ人が支援に立ち上がった。「私たちは、もっと近くなった」という感想は外交辞令ではない。
前から聞きたかったテーマを最後の機会に質問してみた。メキシコも日本も米国との関係は深く、複雑だ。この大国とどうつきあえばいいのだろう。
「自分の利害をはっきりさせて、交渉することだ。友人ならものをいえるはずだし、日本もメキシコも米国のアミーゴだ。好き嫌いは別にして、米国はわれわれにとって欠かせない仲間だ。米国だってメキシコと日本は不可欠のパートナーだ、と認識している」
次の任地はイタリア大使。「この街で一番おいしいメキシコレストランを知っている。メキシコ大使館だ」と東京で連発したジョークを使って、メキシコ好きのイタリア人を増やすことだろう。

ゲスト / Guest

  • ミゲール・ルイスカバーニャス / Miguel Ruiz-Cabañas Izquierdo

    メキシコ / Mexico

    駐日大使 / Ambassador to Japan

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