2011年01月12日 12:00 〜 13:30 宴会場(9階)
福島みずほ 社民党党首 昼食会

会見メモ

福島みずほ社民党党首が記者会見し、連立政権を離脱した社民党がめざす政治について語った。


≪「菅さんは絶対投げ出さない」≫

福島党首は、菅内閣の支持率が低迷する理由について「選挙で国民に約束したことは間違っていなかったのに、約束を実現する意欲がくじけた。方向性が反対となった」と指摘した。「自民党政権に戻るといまより悪くなる。いまの政治を軌道修正させるのが社民党の出番だ。社民党だけがぶれていない」と社民党の役割を強調した。菅政権が、法人税減税など新自由主義に戻り、「個人より企業」というメッセージをだしている、と批判。「いま大事なのは所得再分配だ」と述べ、派遣法改正の成立に取り組む姿勢を見せた。

菅首相の評価を問われると「菅さんは絶対投げ出さない。総理になるため人生設計し、30年以上がんばってきた人だ。二世、三世ではない。つらくなってもやめない」と答えた。また仙谷官房長官については「親分肌で、ここで踏みとどまる胆力がある。同じ弁護士事務所だったが、弁護士はおたおた、おどおどしてはいけない、と教わった。官房長官に向いていると思うし、(もし辞めるとすれば、菅政権は)辞めたあとガタガタとなるのではと心配だ」と語った。


司会 日本記者クラブ理事 栢森哲也(時事通信社)

代表質問 日本記者クラブ企画委員 神志名泰裕(NHK)


社民党のホームページ

http://www5.sdp.or.jp/index.htm


会見リポート

リアル政治のプレーヤーに

泉 宏 (企画委員 時事通信出身)

自ら「ポジティブシンキングの人」と言うだけあって、いつもの“みずほ節”で政権交代以降の社民党の立ち位置を総括した。

まず、支持率急落の菅直人内閣については「約束を実現する意欲がくじけている。そこがダメ」とバッサリ。「国民生活が第一という政権交代の時の約束は間違っていなかったのに、今は歩く方向が反対」と小泉政権時代の新自由主義に回帰しつつあるような政策運営を厳しく批判した。鳩山由紀夫前内閣で連立を離脱してからすでに7カ月余り。「野党だからこそやれることもある」と力説。昨年暮れ、武器輸出三原則見直しに待ったをかけたことを“成果”として挙げ、「閣内にいたら押し切られていたかも…」と振り返った。

しかし、ねじれ国会克服のため昨年末に民主党から“復縁”を呼びかけられたのも事実。「リアル政治のプレーヤーとして、是々非々で対応していく」というあたりに政権与党への未練もにじむ。波乱必至の通常国会のカギとなる予算関連法案への対応についても「労働者派遣法改正案(の成立)とバーターにしたいくらい」と口を滑らせた。

自民党を先頭に野党各党が叫ぶ早期解散要求には「国民は本当に解散を望んでいるの? 民主党内閣がかなり問題だとしても、また自民党に戻ったらもっと悪くなる」と慎重な物言いに。政治家・菅直人についての「首相になるために人生設計し、30年もかけて首相になったのだから、絶対に辞めない。(政治家として)2世、3世じゃないもの」との分析もなにやら応援歌に聞こえた。

連立与党に党首として入閣した時は本当に嬉しそうだった瑞穂さん。女子高生のような丸文字で色紙に書いたのは「愛と平和」。でも「これからは若い人を育てたい」というセリフに政界女性リーダーとしての自負ものぞいた。

ゲスト / Guest

  • 福島みずほ / Mizuho FUKUSHIMA

    日本 / Japan

    社民党党首 / Chair, Social Democratic Party

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