2010年12月22日 15:00 〜 16:00 10階ホール
岡田克也・民主党幹事長

会見メモ

岡田克也民主党幹事長が記者会見で「民主党政権15ヵ月の成果」を話し、小沢一郎元代表の国会招致問題などの質問に答えた。

質疑応答で小沢氏の国会招致について、岡田幹事長は「政倫審にみずから出るのがいい。かなわないなら、決議を考える」と基本的な立場を示した。政治家としての小沢氏との関係を聞かれ「磁石のNとSのようにくっついていたのに、NとNになってすごい勢いで離れていった人を何人も見た。私は、適度の距離を保ってやってきた稀有な例ではないか」と語った。一方、証人喚問をなぜ求めないのか、との質問には「(民主党政権の)功労者の一人なのに、幹事長の私からできるはずがない」と答え、小沢氏との微妙な距離をうかがわせた。ねじれ解消のための連立の組み替えについて「何を優先するかというより、どれだけ選択肢を増やすかだ」「社民党との連立はない。内政は共通点が多いが、外交が違う。公明、自民とはテーマによって考えていく」と説明した。冒頭のスピーチでは、政治主導、経済財政など7分野について成果を列挙し、「かなりのことをやってきた」と自負を示した。「2011年は、国民に約束したことをメリハリつけて前に進める」と意欲をみせたが「予算の都合でできないのか、根本的に考え方を変えるのか、2011年は折り返し点として国民に説明する」と政策修正の余地を残した。

民主党のホームページ
http://www.dpj.or.jp/

岡田克也衆議院議員のホームページ
http://www.katsuya.net/

司会 日本記者クラブ企画委員 倉重篤郎(毎日新聞)

会見リポート

小沢氏への融和姿勢? 弱気とも

倉重 篤郎 (企画委員 毎日新聞論説室専門編集委員)

岡田克也幹事長は、政権交代後「15カ月の成果」というペーパーを配って、政治主導から核密約調査まで20~30項目の改革事項を極めて要領よく説明してくれた。

ただし、会場の関心とニュースポイントは、別の所にあった。国会運営のトゲとなっている小沢一郎氏問題をどう解決するのか、ねじれ国会でどうやって予算関連法案を上げていくのか。補正予算を上げるのに精いっぱいだった64日間の臨時国会をどう総括しているのか。

矢継ぎ早に質問を繰り出したのだが、さすがに「ブリキのパンツ」と呼ばれるだけあってガードは堅い。わかったのは、あくまでも政治倫理審査会の場で小沢氏の弁明を求めていく、という堅い方針だった。小沢氏に対する一定の敬意すら感じた。

ただし、その小沢氏への融和姿勢が会場には、民主党執行部の弱気と映った。

三宅久之氏が質問に立った。「なぜあなたたちはそれほど小沢氏を恐れるのか」と切り出し、1993年の宮沢内閣で野党から出された不信任案に小沢グループが賛成票を投じ、可決・解散総選挙に至ったケースを上げ、「これを恐れて腰が引けてるのではないか。一体どうなんだ」と切り込んだ。若き日の岡田氏も小沢グループの一員として行動を共にしていた過去もあり、なかなか嫌みで、かつズバッと核心を突いた質問だった。

岡田氏は、そんなことは考えにくい、という趣旨の受け答えをしていたが、横から見ていると、顔が上気し、表情がきりりと引き締まった。政策の岡田ではなく政局の岡田の姿がほの見えた。

会見前の揮毫は悩んだあげく「大器晩成」だった。一体いつになったら晩成するのか、との声もあろうが、なお晩成の構えを失わない意欲も買いたい。

ゲスト / Guest

  • 岡田克也 / Katsuya OKADA

    日本 / Japan

    民主党幹事長 / Secretary General, DPJ

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