2010年10月20日 00:00 〜 00:00
石原伸晃・自民党幹事長

会見メモ

ねじれ国会で民主党政権とどう向き合うか、石原伸晃自民党幹事長が昼食会で話し、質問に答えた。

石原幹事長は、政治とカネと日中関係・日米関係で、国民は民主党に失望している、と述べた。補正予算案も自民党政権なら国会冒頭­に提出しているのに、民主党からはいまだに説明もないと述べ、民主党の対応を批判した。質疑応答では、「補正予算は内容を見た上­で賛成もありうる」「本予算や予算関連法案はバラマキを続けるなら賛成しない」「郵政法案は公明党も賛成しないといっている」な­どと答えた。問責決議案のタイミングは「フレキシブルに考える」と述べ、仙谷官房長官と柳田法相の答弁が「乱暴だ」と追及する構­えをみせた。衆院選候補者選定、尖閣諸島の実効支配、都知事選などの質問にも答えた。
司会 日本記者クラブ理事 星野誠(TBS)
代表質問 日本記者クラブ企画委員 田崎史郎(時事通信)

自由民主党のホームページ
http://www.jimin.jp/index.html

会見リポート

新人類幹事長は柔構造

吉田 文和 (共同通信論説委員長)

自民党の石原伸晃幹事長は、対与党戦略について極めて明快だった。「本予算が最大の焦点」と強調した上で、ばらまきを続けるなら公債発行特例法案を含めて予算関連法案には「賛成しない」と言い切った。

歴代幹事長には言語明瞭、意味不明の大先輩がいたが、石原流は言語、意味とも明瞭。説明力の高さを示すとともに、意地悪質問にも柳に風の柔構造で応じ、出席者の好感度は上の部ではなかったろうか。

黙っていても記事にしてくれた与党時代とは違い、売り込まなければ埋没してしまうのが野党だ。「自民党と民主党の(マスコミ)露出度を比較したら7%対93%。愕然とする」とデータを挙げて「情報の発信が重要な仕事だ」と力説した。

司令塔と広告塔の二役を一手に引き受ける気概とみた。野党暮らしが1年を超え、ようやく野党らしくなったのかもしれない。

冒頭質問から、国交相当時の優柔不断ぶりを指摘され、思わずどう答えるのかなとこちらも身構えた。その後も力量を測るような厳しい質問が続いたが無難な答弁ぶり。石原慎太郎都知事の再出馬には「母親のことを思うとやめてほしいし」とはぐらかす一方、しっかりと父親を持ち上げ、したたかに切り抜けた。

都知事選問題の流れで、伝聞をもとに新党改革の舛添要一代表に言及したのは発信過多、サービス過多の勇み足だったかもしれない。

講演は終始、スマートでシャープ。国家論をひけらかすこともなく低姿勢を貫いた。大物、強面とは無縁。自民党全盛時の幹事長像とは趣を異にする。政策新人類で脚光を浴びてから既に10年あまり。満を持して登板した石原氏には党再生の期待が寄せられている。この期待への回答は、予算をぶっつぶすか否かという修羅場に直面するまで待とう。

ゲスト / Guest

  • 石原伸晃 / Nobuteru Ishihara

    日本 / Japan

    自民党幹事長 / Secretary-General, Liberal Democratic Party

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