会見リポート
2010年09月30日
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「ラヴズ・ボディ」展出品アーティスト
会見メモ
AA Bronson、Sunil Gupta、William Yang、Akira the Hustler/Cho Yukio
東京都写真美術館の事業企画課長・キュレーターの笠原美智子さんがまず、写真展「ラヴズ・ボディ」について説明した。
4氏はそれぞれ、エイズに向き合いながら作った作品を出品している。
日本人のハスラー・アキラ/張由紀夫氏はエイズとかかわるきっかけになった経験を話した。中国系オーストラリア人のウィリアム・ヤン氏はシドニーのゲイ・ライフから生まれた作品を語った。AAブロンソン氏はアーティスト・グループの仲間がエイズで亡くなった経験を語った。インドに生まれカナダ国籍のスニル・グプタ氏はインドのゲイ社会をテーマにした作品を話した。
司会 日本記者クラブ企画委員 宮田一雄(産経新聞)
通訳 横田加世子
東京都写真美術館ホームページにある「ラヴズ・ボディ」のサイト
http://syabi.com/contents/exhibition/index-340.html
会見リポート
エイズ 生と性を巡る表現
宮田 一雄 (産経新聞特別記者)
ニューヨークを拠点にするAAブロンソン氏の作品は、裸でつり下げられた自らの姿を映し出す。1994年にエイズで仕事仲間2人を相次いで失い「アートでも人生でも、パートナーがいなくなり、どうしたらいいのか分からなくなった」という。その無力感を脱したもう一つの作品は、ゲイとレズビアンの2組の両親を持つ生後10日の赤ちゃんだ。
中国系オーストラリア人のウィリアム・ヤン氏、欧州で高く評価されるインドのスニル・グプタ氏の2人は、同性愛者であり、性的にも人種・民族的にも社会の中の少数者であることを強く意識する。ヤン氏はエイズで死亡した元恋人の最後の日々を写真と文章で克明に記録した。HIV陽性であるグプタ氏は、同性愛行為が長く非合法だったインドでエイズの流行と直面する性的少数者の姿を20年にわたり撮り続けている。
東京でエイズ対策と取り組むハスラー・アキラ/張由紀夫氏は「RED STRING」という一連の作品で人と人とをつなぐ赤い糸を登場させた。例えば、男性同士が抱き合う人形は、互いにからませた指先が血の色に塗られ、日常生活におけるHIVの感染の可能性が皆無なわけではないことを想起させる。
感染した人を探し出し、排除しようとするかのような予防への過度な傾斜。赤い糸はその危うさをさりげなく提示し、人と人とが触れあうことの大切さを表現する。刺激に満ちた会見に対し、参加する記者が極めて少なかったことは残念だ。
ゲスト / Guest
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ウィリアム・ヤン / William Yang
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ハスラー・アキラ / Akira the Hustler
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張由紀夫 / Cho Yukio
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AA・ブロンソン / AA Bronson
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スニル・グプタ / Sunil Gupta