2010年09月01日 00:00 〜 00:00
ホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ・スペイン首相

会見メモ

初来日したスペインのサパテロ首相が記者会見し「スペイン経済:成長への改革」のテーマでスピーチし、質問に答えた。

サパテロ首相は、スペイン経済について回復に向かっていることを強調し、政府の立て直し政策を国民が理解していると説明した。ス­ペインの金融システムについても信用性は高く、公的資金を注入する必要はない、と述べた。財政赤字は2011年にGDP比6%に­下げる見通しが立った、と自信を示した。

司会 日本記者クラブ理事長 斎藤史郎(日経新聞専務)



駐日スペイン大使館のホームページ
http://www.japon.informacion.la-moncloa.es/ja-JP/index.htm
日本外務省ホームページのスペイン
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/spain/index.html

会見リポート

財政再建の進展をアピール

山口 智子 (NHK国際部)

今回、初めての来日となったスペインのサパテロ首相。スペインと言えば、サッカーワールドカップでの優勝が記憶に新しいが、今回の訪日の目的は、スペイン経済に向けられている市場の不安を払拭し、スペインと日本との経済連携をより深めることだ。

ギリシャの財政危機に端を発したヨーロッパの経済危機。スペインの2009年の財政赤字は、EUが加盟国に求めている3%を大きく上回り、GDPの11・2%を占め、ギリシャに次いで2番目に悪い。ひとたびスペイン経済が危機に陥れば、危機はヨーロッパ全体に広がりかねない。記者会見における最大の関心事は、「スペインは第2のギリシャにならないか」、その1点に尽きた。

「成長するための改革」と題して行われた会見で、首相はまず、巨額の財政赤字について、「負債は減りつつあり、わが国は早いレベルで回復している」と述べた。その上で、2010年の上半期だけで11・2%の負債を半減させ、さらに来年にはGDPの6%まで引き下げるという見通しを示し、財政再建が順調に進んでいることをアピールした。

さらに首相は、最大の懸念事項として、20%以上にもなる高い失業率を挙げ、労働市場改革をはじめ、年金制度改革など、構造改革を着実に行うと明言。

会場からは、「財政再建と経済成長のどちらが優先事項か」という質問が出たが、これに対し、サパテロ首相は「2つとも優先事項だ。今、国の借金は増えているが、2、3年のうちに構造改革が行われ、経済成長も望める」と述べ、終始、強気の姿勢を貫いた。


ゲスト / Guest

  • ホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ / Jose Luis Rodriguez Zapatero

    スペイン / Spain

    スペイン首相 / Prime Minister, Spain

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