2010年06月03日 00:00 〜 00:00
渡辺喜美・みんなの党代表

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会見リポート

増税も連立入りも否定

清水 真人 (日本経済新聞編集委員)

鳩山由紀夫前首相が退陣を表明した翌日、後継選びの民主党代表選で菅直人新首相の優勢が伝えられた微妙なタイミングでの登場となった。

鳩山前政権に失望し、民主党から離れた有権者の受け皿と見られてきたみんなの党。参院選では大躍進の可能性も出ていた。菅新内閣の支持率のV字回復のあおりで、一時の勢いに陰りがのぞいたのも事実だ。

参院選後の政治路線に触れて「民主党は我々のアジェンダはのめないのだから、連立の組み替えには応じない」との基本方針を繰り返した。

「マニフェスト」ならぬ政策の「ぶれないアジェンダ」として「バラマキをやめ、国家経営のリストラを徹底的にやり、民間主導の成長路線を歩む」と語り口は明快だった。

霞が関の官僚機構を「日本衰退の元凶だ」と切り捨て、返す刀で政府資産の「埋蔵金」も「もうないというのはウソッぱちだ」とまだまだ「発掘」できると気炎を上げた。

消費税率の引き上げは「デフレから抜けられなくなる」と真っ向から否定した。国と地方のあり方を抜本的に見直す過程で「消費税はすべて地方財源にする」とも言い切った。

消費税増税を視野に財政再建路線に傾く菅民主党とは政策的な距離が大きく開きつつあるのは確かだ。

情勢が急変した参院選だが「是非ともキャスチングボート勢力になりたい」と力を込めた。連立には入らず、与党法案を参院でことごとく葬り去って民主党政権内の亀裂を深め、崩壊を誘うシナリオを口にした。

「今は第三極かもしれないが、この指止まれの政界再編をやり続けることで、第二極、第一極となる日も遠くない」。民主、自民の二大政党にのみ込まれず、政界地図を塗り替える遠大な目標すら掲げてみせた。その足掛かりをつかめるかどうかも参院選での勢力伸張にかかっている。


ゲスト / Guest

  • 渡辺喜美 / Yoshimi WATANABE

    日本 / Japan

    みんなの党代表 / Representative, Your Party

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