2010年06月07日 00:00 〜 00:00
山田宏・日本創新党党首

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会見リポート

日本丸の浸水を止める

西川 孝純 (共同通信特別編集委員)

政権交代は起きたのに永田町の政治は少しも変わらない─。そんな憤りが地方自治体の首長および首長経験者を立ち上がらせ、日本創新党の結成に至った。

前東京杉並区長で同党党首の山田宏氏は会見で「民主党も自民党も国民にサービス合戦をしている場合ではない。日本丸の浸水を早く止めなければならない」と財政の危機的状況に警鐘を鳴らし、抜本的な行財政改革の必要性を訴えた。

山田氏は参院東京選挙区に出馬するため3期目の途中で区長を辞職したが、レジ袋の有料化を進める条例や多選自粛条例、区職員千人削減計画など斬新で大胆な取り組みは「杉並改革」と呼ばれ、全国の自治体に影響を与えた。

その実績を基に中田宏前横浜市長らと組んで再び国政にチャレンジ。会見では「われわれ以外に日本の行き詰まりを打破できない。杉並を日本のモデルにしようと思ったが、今回は日本を世界のモデルにするつもりだ」と自負心をのぞかせた。

具体的な政策として、子ども手当を廃止し使途を教育や保育に限定した「子育て応援券」支給、国会議員と地方議員の大幅な削減、法人税率引き下げと消費税率を段階的に10%まで引き上げて社会保障や地方財源に充てることなどを表明。

日本創新党は現役の国会議員がおらず政党要件を欠いているため、選挙運動ではハンディがある。全国26人の知事や市長らによる「応援首長連合」を結党時に組織したが、連携は必ずしも十分ではなく広がりも見せていない。

山田党首は自民党保守系議員らの勉強会「創生日本」会長の安倍晋三元首相、「たちあがれ日本」の平沼赳夫代表と協力し合うことを確認している。参院選後も自主憲法制定や夫婦別姓制度反対などを軸に、保守勢力結集に向けて積極的に活動すると思われる。


ゲスト / Guest

  • 山田宏 / Hiroshi YAMADA

    日本 / Japan

    日本創新党党首 / President、The Spirit of Japan Party

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