2010年05月24日 00:00 〜 00:00
山口那津男・公明党代表

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会見リポート

党再建を担う重責

川上 高志 (共同通信編集委員)

連立政権に加わるのか、閣外協力は、政策ごとの部分連合は─。たたみかけるように質問が繰り返された。参院選で「与党過半数割れ」との見方が強まり、選挙後の連立組み替えが焦点になる。政策実現のため「与党志向」とされる公明党はどう対応するのか。関心がその1点に集中する記者会見だった。

少し前まではどう転んでも対応できるよう民主、自民両党と「等距離」を保ってきた。だが、この日は冒頭から厳しい鳩山首相批判を展開。「政権を担う資格はない。自発的に辞めるべきだ」と要求し、民主党の小沢幹事長に関しても「やり方が間違っている」と強調。選挙後の鳩山体制との連立を明確に否定した。

ただその答えでは当然、満足できない。「鳩山・小沢体制が変わったときにも連立はないのか」。この問いには「仮定の話には意味がない。答えは控えたい」と述べる一方、「重要な責任を担う覚悟は常に持っている」と発言し、民主新体制との連立に「含み」を残した。

会見後に、鳩山首相と小沢幹事長が「ダブル辞任」し、質問が現実の動きとなった。山口氏は「民主党の体質、利益誘導、政治とカネの問題は払拭しきれていない。表紙をすげ替えても本質は変わらない」と指摘するが、さてどう動くのか。

焦点は参院選の獲得議席。第3極狙いの政党が次々と生まれる中で、元祖・第3極のポジションを守れなければ埋没する。最大の脅威は支持率で追い越されたみんなの党だろう。

「わが党には3千人の国会・地方議員がいる。新しい政党は国民のニーズをつかめない」と全国に手足を持つ組織政党の基盤の強さをアピールしたが、守りの選挙を強いられるのは間違いない。参院選で党再建の足がかりをつかめるのか。重い責任を担う。

ゲスト / Guest

  • 山口那津男 / Natsuo YAMAGUTI

    日本 / Japan

    公明党代表 / Representative of Komeito

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