会見リポート
2010年03月29日
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枝野幸男・行政刷新担当相
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会見リポート
“らしさ”の体現者になれるか
松下 秀雄 (朝日新聞論説委員)
行政刷新相に起用するにあたり、鳩山由紀夫首相がこの人に委ねた役割である。
その役割を果たそうとしているのだろう。歯切れ良く、政権交代の意義を語った。
担当する事業仕分けについて「この国の政治文化を変えるうえで重要だ」と説いた。これまで、予算を獲得することが政治家の仕事だと思われていた。だが、税金の無駄遣いを省き、予算を削る政治家に国民の拍手が送られるとわかれば、永田町全体の空気が変わる。政権交代の大きな成果になるというのである。
なるほど。仕分けで捻出できる財源は小さくとも、政治家の行動原理が変われば影響は大きい。最近の民主党からは利益誘導体質ばかりが臭うが、なかなか深い射程で考えている政治家もいるのだなと感じた。
郵政改革や米軍普天間飛行場の移設を巡る閣内の意見の食い違いについては「良いことだと世の中に周知させたい」と語った。かつては官僚が根回ししたうえで閣僚が発言したから、足並みの乱れは目につきにくかった。だが閣僚がそれぞれ意見を言い、閣議決定に向けまとめていくのは本来の姿。これまで見えなかった政策決定過程が透明化され、見えるようになったという主張である。
郵政改革で繰り広げられた、「言った」「言わない」というののしりあいが政策決定の透明化か。外交に関して関係閣僚がてんでばらばらなことを言えば足元を見られ、交渉になるまい。首をひねった。だが、閣僚の意見が違えばすぐ「閣内不一致だ」と攻め立てるのも、55年体制下の発想の名残なのかもしれない。
さて、政治もジャーナリズムも、どこまで変われるか。会見を聞き、そんな感想を抱いた。
ゲスト / Guest
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枝野幸男 / Yukio EDANO
日本 / Japan
行政刷新担当相 / The Minister of State for Government Revitalization.