会見リポート
2010年03月16日
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ジョゼ・ラモス・ホルタ・東ティモール大統領
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会見リポート
2012年ASEAN加盟が目標
服部 正法 (毎日新聞外信部)
4半世紀に及ぶインドネシアの併合支配を経て、住民投票で独立を勝ち取った。あの投票から約10年、「国造り」の道は平坦ではなかった。投票直後、インドネシア国軍の支援を受けた併合維持派民兵らによる騒乱では千数百人が死亡し、06年の暴動では大量の避難民が発生した。08年には反政府武装集団の襲撃に遭い、自身は銃撃で重傷を負った。
政情は必ずしも安定と言えないように映るが、「国民間の和解は非常に成功している」と胸を張り、インドネシアに対しては「過去は過去。復讐を求めるよりも、国民の傷を癒やし、犠牲者を救済することが重要」「インドネシアに重荷を押しつけるつもりはない」と明言した。また、豊富な石油・天然ガスを背景にした経済の堅調ぶりも強調した。
全体的に、過去の「負」の克服と明るい未来を切り開くことへの自信がうかがえる内容だったが、東ティモールが実際にどんな方向に動くのか現段階で判断は難しい。今のやり方で弾圧や騒乱で傷ついた人々が真に癒やされ、国民統合が進むのか。資源を巡って汚職がはびこったり、対立や紛争が起きる例は枚挙にいとまがないが、うまく対応していけるのか……。疑問は浮かび、今後が気になった。
紛争後の和解や資源獲得競争の激化と弊害は、各地で対応が迫られている問題。国造りに挑む小さな島国は、今日の世界的課題が顕在化する最前線なのだと感じた。
ゲスト / Guest
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ジョゼ・ラモス・ホルタ / Jose Ramos-Horta
東ティモール / East Timor
東ティモール大統領 / The president of East Timor