2010年03月12日 00:00 〜 00:00
ゴーン・チャティガワニット・タイ蔵相

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会見リポート

インパクト小はマーケットの見方

本間 麻衣 (共同通信外信部)

タイで、タクシン元首相の支持団体による大規模な反政府デモが数日後に予定され、首都バンコクと周辺の一部地域に治安維持法が発令されるという再び緊張が高まる中での来日。ゴーン財務相は穏やかな笑みを浮かべ、胸元で両手を合わせてワイ(合掌)をしながらさっそうと会場に姿を現した。

その約2週間前には、タイの最高裁が、凍結されているタクシン氏一族の資産約760億バーツ(約2157億円)のうち6割に当たる約460億バーツを没収する判決を言い渡したばかり。タクシン氏は判決を不当として、支持者らに平和的な闘いを続けようと呼び掛けていた。

ゴーン財務相は記者会見でこうした状況について「暴力ざたの事件が起こる確率がかなり高いと思う」と指摘。「現政権は十分な対応策を準備している」と警備態勢の万全さを強調し「ありとあらゆる法律的な手段を講じ、適切な形で国民を守っていく」と大きな瞳に力を込めた。

多くの日本企業が進出し、バンコクだけで在留邦人が3万人を超えるタイ。2008年11月には、黄色いシャツを着た反タクシン派がバンコクの空港を占拠し、多くの利用客が足止めされる事態に。昨年4月には、赤いシャツのタクシン派のデモ隊がパタヤで開かれていた東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会議の主会場に乱入し、一部会議が延期となった。交互に繰り返される赤いシャツと黄色いシャツの人々の動きは日本でも耳目を集めている。

タイの政情不安が経済に与える影響について質問が及ぶと「この2日間、タイの株式市場で外国の投資家は買い越している」と強調。背景に現在のアピシット政権が事態を収束させるとの期待があるとして「長期的なインパクトは小さいとマーケットは見ているようだ」と分析した。
 

ゲスト / Guest

  • ゴーン・チャティガワニット / Korn Chatikavanij

    タイ / Thailannd

    タイ蔵相 / Minister of Finance Thailand

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