2010年02月17日 00:00 〜 00:00
ライラ・アモロ・オディンガ・ケニア首相

申し込み締め切り


会見リポート

自国の政局は大丈夫?

松尾 圭介 (時事通信外信部)

ケニア政局大荒れの中での来日となった。日本に向けて出発する直前、汚職疑惑に絡んでオディンガ首相は2閣僚を停職処分とした。これにキバキ大統領が反発、復職させたことから、大統領派と首相派の関係は現政権発足後、最も緊迫した局面を迎えた。しかし、大統領と改めて話し合おうにも日本に向けての出発の時間が迫り、しこりを残したまま離陸に踏み切った。会見でもオディンガ氏は「恐らく間違ったアドバイスを大統領は受けている」と述べており、大統領派への不信感は強そうだ。

ケニアでは2007年末の大統領選が勝敗不透明な結果に終わり、対立する2陣営の大規模な衝突に発展、約1300人が死亡する大惨事となった。アナン前国連事務総長が仲裁し、キバキ氏を大統領、オディンガ氏を首相とする大連立政権が誕生、対立の火種は残しつつも2年が経過したところだ。

問題の2閣僚は、それぞれ数億円の横領疑惑が報じられている。1人はオンゲリ教育相でキバキ派。もう1人はルト農相でオディンガ陣営なのだが、次の大統領を狙うオディンガ氏にとって最大のライバルと目されている人物なので、騒ぎの背景はなかなか複雑なのかもしれない。

ただ、オディンガ氏に連立維持の考えは強いようで、会見でも「問題は腐敗、汚職で、これと戦うことでは大統領も私もまったく同じ見解だ」と強調した。淡々と「連立では必ず意見の違いや誤解が生じる。しかし、だからと言って即連立崩壊とはならない。交渉すれば必ず解決の道が見えてくるものだ」と訴えたのは、自らに言い聞かせていたのかもしれない。司会から「日本の話ではないかというところもある」と指摘されると、居合わせたケニア側の面々からも思わず笑みが漏れた。

ゲスト / Guest

  • ライラ・アモロ・オディンガ / Hon. Raila Amolo ODINGA

    ケニア / Republic of Kenya

    ケニア首相 / Prime Minister, Republic of Kenya

ページのTOPへ