会見リポート
2010年02月09日
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魁皇・大関
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会見リポート
堂々の品格 「師匠」と「稽古」と
千野 境子 (産経新聞特別記者)
平成16年秋場所に13勝2敗で優勝、九州場所も12勝3敗で準優勝。なのに綱は見送りに。ホントに悔しかった。でも昇進していたら今日は多分ない。どっちが良かったのか。ファンも悩ましいが魁サマは?
入門時、相撲は好きではなくて、新弟子検査では緊張し邪魔にならないようにしていたという。花の63年組で若貴兄弟、曙が同期とあれば無理もない。冬は裸になるのがつらく、遂に3人で部屋を脱走した。
親や地元にもう会わせる顔はないと思ったが、すぐ見つかった。
「ほっとしました。恥をかかないで済んだ。それからはもうやるしかないと切り替えた」。小声だが実感のこもった口調だった。
会見で印象に残った言葉が二つある。「師匠」と「稽古」だ。
「師匠に怒られぬように」「師匠の教えで自然に」と師匠との絆がとても感じられた。今や右上手を取るだけで場内が沸く型の確立にも「稽古」、モンゴル勢の攻略についても「モンゴルの人たちに負けないくらい稽古するしかない」と言う。
思えば師匠と稽古の復権こそ相撲界復活のカギではないか。取れる限り取るのが今は夢。「幸いこのところ大きなケガもないし、気持ちは諦めない」とうれしい決意だ。
で、冒頭の疑問。ご本人の答えは「そう思えばいいのかなあ」と最多勝更新中の今日を肯定している風であった。そう、良かったんだ。品格を忘れた横綱がいたけれど、魁サマの品格は堂々の横綱だもの。
デフレ、政治と金、リコール…滅入るようなニュース続きの中、良き時代の良き力士がそこにいた。
ゲスト / Guest
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魁皇 / Kaiou
日本 / Japan
大関 / Champion sumo wrestler