2010年02月04日 00:00 〜 00:00
古賀伸明・連合会長

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会見リポート

会社が踏み出す一歩が大事

一色 清 (朝日新聞編集委員)

連合結成20年で、久し振りに与党の有力支持団体として春闘に臨む。政権を味方に付けて意気揚々とした心境を語ってもいいのだが、古賀会長はまじめな人柄そのままに慎重に言葉を選びながら話した。

意気揚々と話せないのは、デフレ経済のもとでの客観情勢の厳しさがある。「経団連は定昇凍結とも読める表現を使っている。定昇凍結とは会社は原資を増やさないということで、とんでもない。何としても賃金水準を維持する」と、最低限の目標を強調した。

定昇維持だけでは意気が上がらない。もう一つ、「非正規労働者を含めた全労働者の処遇改善に向けたキャンペーンをしたい」とも言う。ここで問題なのは、会社の原資が同じなら、非正規社員の賃上げは、正規社員の賃下げにつながる、ということだ。これまで正規社員を守ることが中心課題だった連合が、この難問にどう対処するかという質問が出た。

古賀会長は「この問題を労労配分の問題にしてはならない。会社の大きな決断、踏み出す一歩が大事だ」と述べ、非正規社員の処遇改善は、主に会社が原資を積み増すことで対処するべきだという考えを明らかにした。

目先の春闘の話だけでなく、日本の国のありようにも話は広がり、「成長も大事だが、日本はここで一度立ち止まって、人の幸せとは何だろうということを考える時期ではないか」と、連合が目指すべきものは「幸せ」という考えも披瀝した。

この日は、小沢一郎民主党幹事長の政治資金問題で、「小沢氏、不起訴の方向」という新聞の大きな活字が一面に躍っていた。会場の関心は、小沢問題にもあり、代表質問の一問目がこれだったが、古賀会長は「基本的にはご本人がどう考えるかということで、短兵急に断定したコメントはしづらいし、やるべきではない」と、こちらも慎重に言葉を選んで答えた。 
 

ゲスト / Guest

  • 古賀伸明 / Nobuaki KOGA

    日本 / Japan

    連合会長 / Head of Japanese Trade Union Confederation

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