2010年01月15日 00:00 〜 00:00
関志雄・野村資本市場研究所シニアフェロー「2010年経済見通し」

会見メモ

下記、会見詳録の末尾に、会見で使用した資料があります。

会見リポート

爆走 2026年には世界第1位

玉置 和宏 (毎日新聞特別顧問)

猛虎のごとき中国経済の勢いを背にして、シープ(羊)のごとき日本経済も語る。いま最もお座敷のかかっている香港出身エコノミスト。隠れたるベストセラー「チャイナ・アズ・ナンバーワン」(東洋経済新報社)の著者である。モテモテの理由のひとつは、中国が今年GDP(国内総生産)で日本を抜き去り第2位に躍進するという予測がもっぱらだからでもある。10年の成長率次第だが、関さんの見通しだと09年の8%後半を下らない。1~2%予想の日本を追い抜いてお釣りがくるはずだ。

1969年6月11日各紙は「日本のGNPが自由世界で第2位に」という心地のいい記事を読者に発信した。そのころの日本は前年比名目で10数%台だったからいまの中国並みかそれ以上だった。当時入社7年の筆者がわずか40年後に、この原稿を書くのも誰かがあるいはみんなで何か間違っていたからなのか。

東洋の小国に出し抜かれた時のドイツの新聞がどう論評したのか知らない。だが先日の独紙は「衰退にあえぐ悲観的な日本」(フランクフルター・アルゲマイネ)と題する刺激的な社説で、ここぞとばかり日本よりはドイツはまだましという論旨を展開していた。再逆転の銅メダルはあると踏んでいる。

関さんの眼はもっと先を見ている。中国の元が毎年2%上昇(保守的!)するとしても、2026年には米国を抜き、真の世界NO1になると予測した。新超大国の傍らで日本が細々とでも生き残る道はあるのか。関エコノミストは日中の競合・補完関係モデル(付加価値指標)を提示して、輸出のハイテク分野で常に中国の先を行くことだと言う。だが「仕切り女史」のNO2論で大丈夫か心配だ。何しろ土煙と馬糞を撒き散らし爆走する中国に「子ども手当て」で対抗するというのだから。

ゲスト / Guest

  • 関志雄 / Chi Hung KWAN

    中国 / China

    野村資本市場研究所シニアフェロー / Senior Fellow、 Nomura Institute of Capital Markets Research

研究テーマ:2010年経済見通し

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