会見リポート
2009年12月18日
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植木(川勝)千可子・早稲田大学大学院教授
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会見リポート
日米中と「漁夫の利」
近藤 順夫 (共同通信編集局次長)
ぎくしゃくした日米関係については、中国に「漁夫の利」を与え、日米それぞれと関係を深めている中国を優位に立たせるだけだ、と論じる識者もいる。講演の後「中国は今の日米関係をどう見ているのか。中国にとって自立を高めていく日本はどうなのか」という質問が出た。
植木氏は「中国も若干心が割れているところがある。日本が自立して行動することを期待する声もあるが、一方で日本の潜在能力に対する警戒感がある。米国から離れると、米国に頼っていた部分(究極的に言えば核武装)を自国で賄おうとするかもしれない、と警戒している。将来は分からないという不安材料がある…。中国はできるだけ紛争を避けて、地域にマルチ的な経済統合ができることを望んでいる」との見方を示した。
普天間問題で日米関係が揺れる中、小沢一郎幹事長が率いる民主党の大訪中団が昨年12月10日、北京を訪問。政府は、中国の胡錦濤国家主席の有力後継候補とされる習近平国家副主席の訪日に際し、1カ月前までに申請するとの所定の手続きをとらない特例的措置で、天皇陛下との会談を同月15日に実現させた。
植木氏は、日米同盟の維持について鳩山政権は不安を抱かせないような運営をすべきであると指摘した上で「今、普天間と日中友好がてんびんにかけられ、相反するかのように言われているが(アジア重視を打ち出した)日本がこの地域で協調的に、ある程度のリーダーシップをとれる状態にあるということは米国にとってもいいことだ」と論じている。
ゲスト / Guest
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植木(川勝)千可子 / Chikako UEKI
日本 / Japan
早稲田大学大学院教授 / Professor,Graduate school at Waseda University