2009年10月01日 00:00 〜 00:00
山崎敏充・最高裁事務総長/樋渡利秋・検事総長/宮﨑誠・日弁連会長

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会見リポート

「順調なスタート」に一安心

安岡 崇志 (日本経済新聞特別編集委員兼論説委員)

10月1日「法の日」の前身は、1928年のこの日に陪審法が施行されたのを記念して設けた、戦前の「司法記念日」だそうだ。

43年4月から今に至るまで「施行停止中」の陪審制度の衣鉢を継ぐ裁判員制度を広報するために、法曹3者の代表がこの日に合わせて共同会見をするようになったのは、「法の日」の来歴にまことにふさわしい。

3回目の今年は、2カ月前に第1号法廷が開かれた裁判員裁判の滑りだしをどうみるかについてのスピーチで始まった。裁判所、検察庁、弁護士会それぞれ立場は異なっても「順調なスタート」と口をそろえた。これは、マスコミの大方も共有する評価ではないか。異口同音に語った「裁判員候補の出頭率の高さに胸をなでおろし、裁判員たちの真剣・誠実な姿勢に敬意を抱いた」「判決後の記者会見に応じる裁判員に感謝したい」などの言葉も、共感できた。

これも期せずして一致した「裁判員に充実した審理をしてもらえる法廷技術を法曹3者が身につけるためにまだまだ工夫や経験が要る」というのは謙遜ではなかろう。組織的な研修や訓練がしにくい弁護士の皆さんには、特に厳しい自己研さんをお願いしたい。

お三方の表情を見れば……最高裁事務総長は、つまづきのない新制度の動きだしに本当に一安心の様子がにじみ出た。日弁連会長は念願の「取り調べの全面可視化」をマニフェストに掲げた民主党政権の誕生に勢いづき、逆に検事総長は、政治資金事件捜査でその民主党との対立もあり、会場からの質問に、時に、渋面をつくるようにうかがえた──と、これは僻目(ひがめ)であります。

ゲスト / Guest

  • 山崎敏充 / Toshimitsu YAMAZAKI

    日本 / Japan

    最高裁事務総長 / Secretary-General of the Supreme Court

  • 樋渡利秋 / Toshiaki HIWATARI

    日本 / Japan

    検事総長 / the Public Prosecutor General

  • 宮﨑誠 / Makoto MIYAZAKI

    日本 / Japan

    日弁連会長 / President of Japan Federation of Bar Associations

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