2009年07月09日 00:00 〜 00:00
ガード・グロブラー・駐日南アフリカ大使

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会見リポート

W杯成功に自信と確信

江連 能弘 (毎日新聞運動部)

サッカーの2010年ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会は安全に開催されるのか。最大の関心事に対し、予想通りとはいえ「W杯の開催は成功すると確信している」という答えが返ってきた。

南アでは一日約50件、日本の約40倍もの殺人事件が起きているが、07年に在留邦人と日本人旅行者が犯罪に巻き込まれた確率は0・6%だったとするデータを示しながら「南ア政府は治安と安全の問題を最優先して取り組んでいる」と強調した。

W杯の予行演習に位置付けられた6月のコンフェデレーションズカップは、大きなトラブルもなく運営された。競技場周辺には人員過多としか思えないほど大量の警察官や民間警備員を投入。それが犯罪の抑止力となった。来年のW杯も人海戦術がとられるだろう。ただし、規制線の内側に限った対応ではある。

折しも会見を前に、競技場建設現場の労働者ら約7万人が賃上げを求めて無期限ストライキに突入した、とのニュースが飛び込んできた。それでも大使は「数日のうちに片づくだろう」と楽観的な見通しを示した。コンフェデ杯期間中も試合のない日にはストライキが起きたが、運営に支障はきたさなかった。その経験が、自信となっているようだ。

報道陣との質疑を契機に「貧富の差、生活水準の低さが犯罪を生んでいる。格差を埋めなければ社会的な安定はおぼつかない。いまだ大きな格差が残っている」と述べた。W杯により瞬間的には雇用が改善され、治安対策も講じられるが、抜本的な対策にはならない。国際サッカー連盟もW杯組織委員会も言及しなかった点に、きっちり触れてくれた。

加えて、10年は日本との外交関係樹立100年の節目である点もアピールした。出席者の多くは運動系の記者で関心は薄そうだったが、外交官としての役割を果たしていた。

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