2009年01月14日 00:00 〜 00:00
トーマス・シーファー・駐日アメリカ大使

会見詳録


会見リポート

横田夫妻へのサポート続ける

鈴木 美勝 (時事通信解説委員)

「いま、私は一抹の寂しさに駆られておりますが、駐日大使はやりがいのある仕事でした」─翌日に離任を控えたシーファー駐日米国大使。在任中に親交を深めた数多くの友人たちに思いを馳せながら、4年近くに及んだ日本での仕事をふり返った。

「あの運命の日に横田めぐみさんが家族や友人から引き裂かれた道を、私は横田ご夫妻と一緒に歩いたことを忘れることはないでしょう」「この悲しい拉致事件への取り組みに正義がもたらされるよう、私はどこへ行こうともサポートすることをお約束いたします」

シーファー大使はブッシュ大統領との蜜月関係を築いた小泉純一郎元首相にも言及した。「日本に滞在するうちに、なぜ大統領が小泉首相を高く評価していたか分かりました。彼は、プリンシプルに基づきビジョンを守った指導者でした」。

太平洋を挟んで日米蜜月時代を支えたもう一人の黒衣、同じ野球好きで馬が合った加藤良三前駐米大使には、丁寧な感謝の言葉を添えて賛辞を贈った。「加藤大使はアメリカの短所を理解し、併せてアメリカの志をも理解しておられます。彼ほど立派に母国の代表を務めた外交官は他におりません。大使御夫妻から受けた御恩を私は決して忘れないでしょう」。

昨年11月、次期大統領が選出された2日後、シーファー大使は、加藤氏を、王貞治、ウィーリー与那嶺氏らと共に公邸に招き、送別の宴を開いた。公邸内には、往年の名プレーヤー、ルー・ゲーリッグ一塁手が1934年に来日した時に試合で使ったファーストミットが飾られていた。そのミットは、シーファー大使の任務完了と共に親善の役割を終え、ベースボールの聖地ニューヨーク州クーパーズタウンの「ホール・オブ・フェーム(野球の殿堂)」に戻って行った。


ゲスト / Guest

  • トーマス・シーファー / John Thomas Schieffer

    アメリカ / USA

    駐日米大使 / Ambassador to Japan

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