2009年01月30日 00:00 〜 00:00
安倍晋三・元首相

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会見リポート

首相と派閥支え「球拾い」強調

清水 真人 (日本経済新聞編集委員)

首相だった07年7月の参院選党首討論会以来の登場。「はるか昔のように感じている」が第一声だった。

首相就任時から「政権選択は衆院選であり、参院選は中間評価と位置づけていた」と言う。だから、惨敗しても辞める意思はなかったと振り返った。健康状態の急激な悪化で退陣したが、首相臨時代理を置いて入院し、数週間で公務復帰を目指す道も探っていた、と明かした。内閣法の解釈上、それは難しいとの見解を内閣法制局が示したために「一日も早く辞めざるをえない」と覚悟した舞台裏も披露した。

サウジアラビア、イラク歴訪から帰国した翌日という疲れも見せず弁舌を振るった。退陣時とは打って変わった姿に、会場からは「顔色もよく、話しぶりも元気。再登板の意欲は」との質問も飛ぶほどだった。

これには自分に言い聞かせるように「私自身の野心を持つことは自粛しなければならない。思考の外に押し出さねばならない」と打ち消して見せた。当面の役回りとして自覚するのは「自民党が困難を乗り切るためのボール拾い」だ。

第1は安倍政権の負の遺産である衆参ねじれの重荷や低支持率に苦闘する麻生太郎首相を支えぬくこと。「麻生首相の下で衆院選を迎えることは確定している」とまで言い切り、「党首を代えて流れを大きく変えられるのか。政策で勝負する気概を持つべき」と訴えた。

第2は所属する最大派閥、町村派をまとめていくこと。退陣後、同派に復帰して、保守色の強い中堅・若手を中心に一定の求心力を保つ。反麻生に傾きがちな中川秀直元幹事長らと、森喜朗元首相、町村信孝前官房長官らの確執が深まった派内でバランサーともなってきた。町村、中川両氏ら3人が代表世話人に並んだ同派の指導体制。「組織論としては不自然。各々の考え方が大きく違えば見直すことになる」と指摘した。

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