2009年01月15日 00:00 〜 00:00
セルゲイ・ミハイロヴィッチ・ミロノフ・ロシア上院議長

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会見リポート

プーチン大統領復帰「排除せず」

三宅 利昌 (共同通信外信部デスク(前モスクワ支局長))

「ロシアの新聞を日常的に読んでいるようですね。私の党は与党と書かれていますが、実際は野党です」。党首を務める「公正ロシア」の「第2与党」としての役割を尋ねると、こんな答えが返ってきた。昨年9月までの3年近く、共同通信モスクワ支局で「プーチン時代」のロシア政治の変遷を見守ってきたが、その分かりにくさをあらためて実感した。

ミロノフ上院議長は今も圧倒的な支持率を誇る前大統領のプーチン首相の盟友。公正ロシアは2007年12月、プーチン氏が現在のメドベージェフ大統領への事実上の後継指名を行った際、巨大政権与党「統一ロシア」などとともにメドベージェフ氏を支持し、日本のメディアでも第2与党と位置付けられてきた。

ソ連崩壊後の故エリツィン大統領時代のロシアでは、市場経済化の「ショック療法」を支持した急進改革派やリベラル派、保守派が乱立したが、旧ソ連国家保安委員会(KGB)出身のプーチン氏が2000年に大統領に就任して以降は次第に「総与党」に近い体制が築き上げられた。

公正ロシアは06年10月、左派系3政党が統合して結成されたが、当時もロシアではクレムリンが共産党の支持票を取り込む受け皿を狙ったとの見方があった。それでもミロノフ氏は、プーチン首相が党首を務める「自由保守主義」の統一ロシアに対し、「社会民主主義」の公正ロシアは左派の野党であると強調する。この立場を尊重すれば、与野党の健全な競争が行われているという国の体面も整うことになる。

「観測気球」と受け取られる発言でも知られたミロノフ氏。メドベージェフ大統領の任期が切れる12年にプーチン首相が大統領に復帰する可能性を問われると「私は排除しません」と答え、笑みを浮かべた。

ゲスト / Guest

  • セルゲイ・ミハイロヴィチ・ミロノフ / MIRONOV, Sergey Mikhailovich

    ロシア / Russia

    上院議長 / President of the Russian Senate

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