2008年10月31日 00:00 〜 00:00
中川茂・郵政政策研究会副会長

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会見リポート

「郵政民営化」を前提に見直しを

高橋 利行 (読売新聞出身)

「全国特定郵便局長会」といえば、泣く子も黙る自民党屈指の集票マシーンとして、その名を轟かせていた。郵政民営化という大ナタによって息の根を止められたのか、しぶとく生き延びているのかは政治ウォッチャーには重大な関心事である。

郵便局長の身分が国家公務員から民間人に変わったことを機に、この1月、その政治団体も「大樹全国会議」から「郵政政策研究会」に衣替えし、いわば大っぴらに民営化の見直しに動き出している。

いったん4事業に解体されたような「郵政」をいったいどうしようというのか。グリーンカードのように、政治力を駆使して時計の針を逆回転させようとでもいうのだろうか。

中川茂副会長は「郵政民営化によって良くなったことは何一つない」と昨年10月の民営化から今日までの具体例を挙げて実情を訴えながらも、「国営に戻せ」とか「公社にしろ」と主張しているわけではないと念を押し、あくまでも民営化を前提に見直しを求めていくと説明した。

その骨格は①金融(ゆうちょ銀行、かんぽ生命)にユニバーサル・サービスを義務付ける②金融会社の株は全額売却するのではなく、外資などに乗っ取られないように一定比率を持株会社(日本郵政)に保有させる③郵便局と郵便事業の両会社を合併させる──にあると説明した。

100万票を有していた集票力も、すでに50万票に半減している実情を明かしながら、うまく割り振れば、かなりの影響力を参院選だけでなく衆院選にも与えることが可能だと力説した。

具体的に何議席に影響するかには触れなかったが、政権交代が実現すれば、実行することで民主党と合意していると述べた。政権内でも見直し機運が出始めただけに、「敗軍の将」の弁もあるいはと思わせて面白い。

ゲスト / Guest

  • 中川茂 / Shigeru NAKAGAWA

    日本 / Japan

    郵政政策研究会副会長 / Vice-Chairman, Committee of Posts and Telecommunications Policy Research

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