2008年08月25日 00:00 〜 00:00
保利耕輔・自民党政調会長

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会見リポート

大型補正で党支持率回復を

浅川 博忠 (山形新聞客員論説委員)

郵政造反─自民党離党─復党─政調会長就任と、保利耕輔氏にはあまりにも慌ただしい3年間であった。と同時に景気─財政─税制の3分野を巧みに絡ませる手腕を求められるのが今回の政調会長の重要責務となるだけに、総合農政と文部科学を得手とする彼の就任は意外性にも富んでいたと思われる。

こうした背景に生来の謙虚さときまじめさが加わり、「まだ、ウォーミングアップ中ですので…」の一語で昼食後の会見がスタート。まずは「29年間の代議士生活で印象的なことを回顧したい」と述べ、亡父・茂氏の思い出話、細川から村山政権へと移行していく間のウルグアイ・ラウンドの厳しい交渉、安倍内閣での公明党との改正教育基本法を巡る折衝などの場面を淡々とした口調で次々と語り続けた。さて、ウォーミングアップも順調に進行したのであろうか。いよいよ会見の本題テーマに突入。

景気対策としての今年度補正予算案の規模と、その財源について「大型で考えるならば2~3兆円。赤字国債発行とするか否かは、最後の段階で政府が判断することだ」と慎重な口調ながら、きっぱりと言明。

このスタンスは自民・麻生、公明・北側両幹事長らの連立与党幹部間での呼吸は合っているが、今後、小泉元首相や中川秀直氏との調整に微妙なものが残りそうな気もする。党内外から、選挙目当てのバラマキ行政との批判も噴出してくるはずだ。

彼とは久しく同じ私鉄沿線の住民であるが、通勤時にはいつも数枚の新聞スクラップに丹念に目を通している。この姿はどう見てもバラマキ政治家には映らない。「政治は難しいものだ」と何度も亡父に教えられてきたという新政調会長の注目のデビュー会見であった。

ゲスト / Guest

  • 保利耕輔 / Kosuke HORI

    日本 / Japan

    自民党政調会長 / Chairman, Policy Research Council of the Liberal Democratic Party(LDP)

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