2008年07月29日 00:00 〜 00:00
星出彰彦・スペースシャトル「ディスカバリー」クルー

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会見詳録


会見リポート

「きぼう」はパーフェクト

山田 聡 (読売新聞科学部)

宇宙飛行士はマスコミ対応も訓練されていて、会見の受け答えはいつも優等生的だ。今回も例外ではなく、ケリー船長(左から3人目)は宇宙人について「宇宙に生命はいるかもしれないが、地球まで来るのは困難で、宇宙人は地球にいないと思う」と冷静に答えた。

星出彰彦さんら来日した7人は、6月上旬、国際宇宙ステーションに日本の実験棟「きぼう」船内実験室を設置したメンバーだ。難作業を完璧にこなし、地上で見守った日本の「きぼう」関係者を「センスがよい」と感心させたほどだが、星出さんを含め4人が初飛行だった。

ケリー船長は、不具合なく起動を始めた「きぼう」を「パーフェクト。レクサス(トヨタの高級車)のようだ」とほめ、作業責任者の星出さんを「グレート。成功はアキ(星出さん)のおかげ」と評価した。外交辞令に聞こえるが、帰還直後から一貫したコメントで、真意だろう。

一方、星出さんは成功の理由にチームワークを上げた。「14カ月間の訓練をともにした仲間は、かけがえのない家族だ」と強調すると、並んでいた全員が照れ笑いを浮かべた。地上訓練で失敗した際には、ケリー船長から携帯電話にメールで「軌道上で成功すればよい」と励ましを受けたと言うから、若手をまとめ上げた船長の手腕もあったのだろう。

今回の会見、苦労を聞かれた星出さんが宙を見つめて考え込み「そうですね…ないですね」と笑顔で答えた場面が、最も印象的だった。

ゲスト / Guest

  • 星出彰彦 / Akihiko HOSHIDE

    日本 / Japan

    スペースシャトル「ディスカバリー」クルー / Crew, Space shuttle "Discovery"

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