2008年07月30日 00:00 〜 00:00
岡田克也・民主党副代表「著者と語る『政権交代』」

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会見リポート

代表選不出馬の意思表明

榊原 元廣 (共同通信記事審査委員)

近著『政権交代』を中心に、著者岡田氏に話を聞くというのが名目だったが、会場の最大の関心は9月の民主党代表選挙出馬について「ノーコメント」を繰り返す同氏の本音だった。代表選は誰が対抗馬となろうと、小沢一郎代表の3選は動かない、代表選は小沢氏3選のレッドカーペットのようなものとの見方がほとんどだ。そうした中で、本気モードの本来の選挙戦があるとすれば、唯一岡田氏が立ったときだろうというのも大方の考えるところ。

この日の岡田氏はいつもの素っ気ない「ノーコメント」ではなく、よくその想うところを語ってくれた。「白紙でものを言わせてもらうと」とした上で「野党の代表の任期というのは何だろう、責任を問われるのは総選挙だ。総選挙までは一人の人がやるべきだ。勝てば首相になるし、負ければ交代する。総選挙を間近にして代表選挙をやるべきではない」。小沢代表については「今まで民主党の高い支持率をつくり上げてきた最大の功労者」と評価した。

もちろん岡田氏は政治家だから言うことは一直線ではない。付け加えて「代表選挙を政策論争の機会、総選挙に向け民主党をアピールするステップと位置付けることはできる。そういう意味で代表選をやった方がいいと一般論としては思う」。だが民主党をアピールするためだけに岡田氏自身が代表選に出るとは思えない。岡田氏の政治的現在はいつでも小沢代表に取って代わる用意があるといった厳しさをはらんでいる。それが可能な状況になっていない今回の代表選に立つ意思がないことを、この時点で明確にしたと会場の大勢は受け止めた。

だから最後に「現時点で代表選に強い意欲を持ち合わせていない」とだめ押しした。

ゲスト / Guest

  • 岡田克也 / Katsuya OKADA

    日本 / Japan

    民主党副代表 / Vice President, DPJ

研究テーマ:著者と語る『政権交代』

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