2008年07月09日 00:00 〜 00:00
冬柴鐵三・国土交通相

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会見リポート

日中韓観光トライアングルを

鎌田 司 (共同通信編集委員)

国土交通省の仕事は間口が広い。今回のテーマは観光、海洋、環境の三つ。ただ質疑では成田空港などの整備、道路特定財源、地方整備局の権限移譲など多岐にわたった。

最初の観光では、「観光立国」への取り組みを説明した。2010年に訪日外国人旅行者1000万人を目指す「ビジット・ジャパン・キャンペーン」は官民挙げての宣伝効果で、昨年733万人に達した。

外国人旅行者の増加は「草の根交流による相互理解と同時に、地方活性化の大事なツール」と強調した。 今年10月に発足する「観光庁」の英文表記が「ジャパン・ツーリズム・エージェンシー(JTA)」と決まったことを初めて披露した。

中国や韓国の旅行者が急増していることを受け、日中韓3国を「観光トライアングルにし、公共交通機関を相互に自由利用できるようにしたい」と展望を語った。

次の「海洋」では、海洋政策の重要性を語った。日本には6847の離島がある。排他的経済水域は447万平方キロと国土の12倍、世界6位の面積を持つ。「小さい島国ではなく大きな海洋国家」という。次代エネルギーのメタンハイドレートなど海底資源が有望で「開発利用を通じて資源大国にしたい」という。

最後の「環境」では交通部門のCO2削減に取り組む決意を示した。関西では琵琶湖の水を7回も再処理し活用していることを紹介し、こうした技術を「世界の水問題解決に生かしていきたい」と述べた。

支持者を前にしているような丁寧な説明から幅広い分野を把握している様子がうかがえた。ただ役所の政策をなぞっている印象もぬぐえず、国民生活に直結する事業分野で政治家としての大胆な判断や展望をもっと聞いてみたいと思った。

ゲスト / Guest

  • 冬柴鐵三 / Tetsuzo Fuyushiba

    日本 / Japan

    国土交通相 / Minister of Land,Infrastructure,Transport and Tourism

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