2008年02月26日 00:00 〜 00:00
イフテカル・チョードリー・バングラデシュ外務担当顧問

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会見リポート

年内の総選挙実施に自信

清水健太郎 (共同通信外信部)

総選挙をめぐり与野党の対立が拡大し、非常事態が続くバングラデシュ。同国選挙管理内閣で外相に当たるチョードリー外務担当顧問は、国家安定プロセスの里程標とすべく総選挙を年内に実施することに自信を示した。

同顧問は、汚職のまん延などを踏まえ、これまでの国情を「極めて不安定な政治状況」と指摘。「総選挙実施後に(新政権に)権限がスムーズに移譲されるよう時間をかけて準備をしている」とし、汚職一掃のための政党改革や、治安確保、人権向上など民主化のための努力を続けていると強調した。

汚職容疑で2大実力者だったバングラデシュ民族主義党(BNP)のジア前首相とアワミ連盟(AL)のハシナ元首相が逮捕されたこともその改革の一環といえよう。

同顧問は「改革が完全に実行されなくても、(選管内閣は)12月末までの総選挙実施を約束し、国民も(実施を)支持している」と述べた。だが、具体的な実施時期については言及しなかった。

ただ気になるのは、2大実力者が政治の表舞台から追放されたことで、政治浄化を進める軍が台頭、俄然勢いを増していることだ。陸軍参謀長がクーデターで大統領になった近隣国パキスタンがたどったシナリオも思い浮かぶ。チョードリー顧問は会見で、「バングラデシュはパキスタンとは違う」ことを強調したかったようだが、内政への突っ込んだ言及は避けていたようだ。

会見に先立つ25日、同顧問は高村正彦外相と会談。日本政府が洪水被害の復旧支援のために約70億円の円借款実施を決定したことなどを受け、同顧問は日本政府への謝意を示すとともに、2国間関係の一層の発展に期待を表明した。

ゲスト / Guest

  • イフテカル・チョードリー / Iftekhar Chowdhury

    バングラデシュ / Bangladesh

    外務担当顧問(外相) / Minister of Foreign Affairs

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