2008年02月20日 00:00 〜 00:00
岡村正・日本商工会議所会頭

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会見リポート

プロは勝って和す

内山 勢 (毎日新聞経済部編集委員)

昨年11月に会頭に就任して初のゲスト講演。出身の東芝(会長)は、前日にHD─DVD方式の撤退を発表したばかり。この日はマクロ経済分析と、持論の「『個』が光るイノベーション」、そして商工会議所の役割について考えを披露した。

就任に当たって掲げたのが、この「『個』が光るイノベーション」だ。「政府任せというスタンスをとり続ける限り、中小企業に発展はない。敢えて自らが光るようにイノベーションを起こすことが、地域活性化の原点だ」。

ともすれば、地方の中小企業は、補助金だ、公共事業投資だと政府や地方自治体に頼りがちになる。だが、そこは厳しく自ら立ち上がれと、鼓舞する。もちろん、景気回復が地方の中小企業までしっかり浸透していない現状で、そう簡単な話ではないのは岡村さんも承知だが、「『個』の光を存分輝かせないと、将来はない」と手厳しい。

そのためには、「自社の強みを徹底的に突き詰めてほしい」と語る。さらに、「捨てるべきものは勇気を持って捨て、守るべきものは守る」「優秀な技術を持っているだけでは生き残れない、と肝に銘ずるべき」と、“岡村節”を展開した。チラリとHD─DVD撤退のことがアタマをよぎったが、多分、西田厚聡社長の決断を、岡村会長は積極的に支持したに違いない。

就任にあたり、「大企業と中小企業から見る視点は違う。新しい発見をしながらいろんな形で貢献したい」と語っていた。その実践のため、現在、全国の主要商工会議所を視察中。これまでに大阪、名古屋、仙台、札幌など7カ所を回った。

「『勝って和す』という言葉が好きだ。お互い切磋琢磨して勝ちにいくことが大切だ」

ゲスト / Guest

  • 岡村正 / Tadashi OKAMURA

    日本 / Japan

    日本商工会議所会頭 / President, JCCI

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