2008年01月31日 00:00 〜 00:00
藤井裕久・民主党税調会長

申し込み締め切り


会見リポート

小沢さんより頑固かも

小此木 潔 (朝日新聞編集担当補佐)

民主党が昨年末つくった「税制改革大綱」を資料として配布したが、それに目をやることもなく、これまでの蓄積をもとに民主党の税に関する基本政策を打ち解けた口調で語った。細川政権の蔵相や自由党幹事長などの要職を経験し、現在は民主党最高顧問もつとめるベテラン政治家ならではの会見となった。

与党がガソリン税の暫定税率の期限を延長するための「つなぎ法案」を前日に撤回し、暫定税率と道路特定財源の行方に関心が集まった絶好のタイミング。「地方分権に逆行し、資源配分をゆがめる」時代遅れの道路特定財源は廃止するという改革こそがこの問題の本質だと説き、「ガソリン税の暫定部分は無くし、根っこの部分は将来の環境税の種として残す」との考えを示した。暫定税率の廃止で2兆7千億円の減税効果が期待できる一方、地方の道路建設は減らさずに済む、と述べた。

この方策が値下げによる人気取りではなく、減税を兼ねた税制改革案であると強調することで、民主党に対する内外の反発や不安を和らげたい、との意欲がうかがえた。同時に、自民党との今後の妥協の可能性については「僕はこの点では小沢さんより頑固かもしれないが、基本問題について安易な妥協はあってはならない」と強く否定した。

また、「自民党が暫定税率廃止を飲んだ場合でも、道路建設を維持するために建設国債の増発でしのごうとするのではないか」との質問には「そうなれば、それほどまでして道路をつくる必要がどこにあるのか、と攻める」と語った。

消費税は「社会保障のための目的税」と位置づけ、「財政の穴埋めにも使おうとする自民党とは違う」と、将来の増税を国民の選択に委ねる姿勢も印象的だった。

ゲスト / Guest

  • 藤井裕久 / Hirohisa FUJII

    日本 / Japan

    民主党税調会長 / chairman ,Democratic Party Tax Commission

ページのTOPへ