会見リポート
2008年01月29日
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ロナルド・ブティオン・アジア開発銀行地域協力担当エコノミスト
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会見リポート
大メコン圏経済回廊の潜在性
山越 峰一郎 (毎日新聞エコノミスト編集部)
域内貿易が2005年までに15倍に拡大するなど、着実な成果を生んでおり、06年12月にはベトナム中部のダナン港からラオス、タイを経由してミャンマーのモーラミャインに至る総延長1500キロのハイウエー「東西回廊」が、ほぼ全面開通した。これにより、海運で2週間かかったタイのバンコクからベトナムのハノイまでの輸送期間が、陸路で3日に短縮されている。
「プログラムの中で最も進展しているのがこれら輸送分野」で、日系企業が集積するタイ、ベトナム、そして中国などとの間の「物理的な障壁は低くなった」。ここに日本が果たした役割も大きく、たとえば東西回廊はADBだけでなく、日本政府、国際協力銀行の円借款や融資などが組み合わされて開通したもの。ただし、輸送以外も含め15年までに必要とされる約300億ドルのうち、現時点で調達できているのは約60億ドル、「今後も日本への期待は大きい」という。
ソフト面では、07年3月には越境交通協定が締結され、その実施ガイドラインも今年3月のGMSサミットまでには各国が批准する見込み。目標は「通関、交通標識、車両規制などを各国が法改正により共通化し、4時間かかっていた通関手続きを30分に短縮すること」。
将来的な課題としては、「回廊が投資促進や人材開発も含めた経済回廊となり、ラオスやカンボジアといった小国の貧困を撲滅すること」が挙げられる。さらに、15年の実現を目指す東南アジア諸国連合(ASEAN)経済統合の成功にプログラムが貢献することも期待されている。
ゲスト / Guest
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ロナルド・ブティオン
アジア開発銀行地域協力担当エコノミスト