会見リポート
2007年10月05日
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カレン・アブザイド・国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)事務局長
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会見リポート
“尊厳ある生活”の重要性を強調
石合 力 (朝日新聞外交国際兼政治グループ次長)
「故郷」に戻れるあてのない難民がブロック積みの自宅を建てる。それがイスラエル軍の爆撃やブルドーザーで破壊される。そして「テロ掃討」の名目で女性や子どもたちが巻き添えになる。「絶望」と「憎しみ」の再生産ばかりが広がる現地で、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は、子どもたちの教育や医療活動など基本的な人道支援を半世紀以上も実施してきた。
かつてパレスチナに対するトップドナーの一角だった日本だが、中東問題への政治的関与の必要性をうたう一方で、人道支援の下積みに徹するUNRWAへの拠出額は07年で8位。パレスチナ内部の対立などを受けて、困窮の度合いが深まるなか、支援の輪は十分とはいえない。
リップサービスを込めてか、小泉元首相が掲げた「平和と繁栄の回廊」構想への支持にも言及したが、パレスチナの現状をみれば、域内の経済発展を目指す同構想の実現など夢のまた夢だろう。日本に求められるのは、スタンドプレーとしての「中東関与」ではない。民衆が求めているのは小手先の豊かさではなく、「尊厳のある生活」だ。彼女はそれを「平和を実現する上で最も重要なことだ」と強調した。
「政治」とは距離をとるUNRWAだが、選挙に勝利したハマスを欧米が孤立化させようとした結果、ハマス内部で「穏健派より軍事部門が力を強めた」との指摘も。そのツケを負うのはUNRWAだ。
ゲスト / Guest
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カレン・アブザイド / Karen AbuZayd
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)事務局長 / UNRWA (United Nations Relief and Works Agency for Palestine Refugees in the Near East)