2007年09月20日 00:00 〜 00:00
スティーブン・ロイド・リーパー・広島平和文化センター理事長

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会見リポート

全米101カ所で原爆展開催

北村 浩司 (中国新聞東京支社編集部長)

1945年8月6日午前8時15分。言わずと知れた、広島に原爆が投下された時間である。

リーパー氏は強調した。「その瞬間、核兵器がこの世に現れ、世界は一変した」。原爆投下をめぐっては、さまざまな議論がある。米国では8割もの人が「戦争の終結を早めた」と評価している現実がある。「神話を書き換えるのは容易ではない。それより私は将来に向けてどう対処すべきかを問いかけたい」。

広島平和文化センターは、一人の女性被爆者の発案を基に、全米101カ所で原爆展を開催する事業を進めている。都市や大学、NGOなどが相次いで開催に名乗りを上げている。さらに、米国の地方紙や大学のキャンパス・ペーパーなどに、核兵器廃絶を訴える意見広告を載せる計画にも取り組む。

米国の主要な政治家は、イランへの核兵器使用も辞さないと公言する。世界の核状況はまさに危機に瀕している。リーパー氏は「核兵器がいかに危険なものであるかということを米国の人たちに認識してもらい、米国政府が核兵器廃絶へ政策を転換するよう促したい」と狙いを解説する。

さらに、意見広告を出す費用をまかなうための募金も呼び掛けた。「日本は核兵器廃絶のリーダーになるべき経済力、政治力、文化的な影響力を持っている。日本に住む私たちも日本政府を動かすために声を上げる必要がある」と訴えた。

北朝鮮の核実験に対して、日本では激しい非難の声が巻き起こった。東アジアの安定と平和を揺るがす行為だけに当然のことだ。

しかし、その日本が、核兵器廃絶に真剣に取り組む姿勢を示さないのでは、私たちの訴えも説得力を持たないだろう。


ゲスト / Guest

  • スティーブン・ロイド・リーパー / Steven Lloyd Leeper

    日本 / Japan

    広島平和文化センター理事長 / Chairman, Hiroshima Peace Culture Foundation

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