会見リポート
2007年07月10日
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ムハマド・ユヌス・ノーベル平和賞受賞者
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会見リポート
拡大するグラミン・ブランド
藤井 良広 (日本経済新聞出身)
受賞後、各国に招かれ、多くの講演、発言をしてきた。今年6月には米ビジネスウィーク誌が選ぶ「歴史上もっとも偉大な起業家30人」の一人に名を連ねた。
日本では、社会活動家と見られがちだが、まさに起業家なのだ。30年前に母国バングラデシュで2人の貧しい女性に27ドルを融資したのが始まり。これまでに延べ700万人に約60億㌦を融資した。いまや銀行だけでなく、携帯電話事業、教育、欧州企業との合弁事業など、「グラミン・ブランド」は拡大し続けている。
ユヌスさんは「ビジネスには二種類ある。一つは利益を最大にする。もう一つは社会的目的のために営むもの。同じ人が、二つのビジネスを同時にできるはずだ」と語った。
貧困の国に生まれ、社会の矛盾を目の当たりにしてきた。解決にはお金がいる。そのために、慈善や施しではなく、貧しい人の自立を生み出す少額無担保融資(マイクロクレジット)の仕組みを編み出した。
万一の時の返済を確保するのが担保。その担保に頼り過ぎ、つい最近まで日本の銀行が不良債権の重荷に苦闘していたことを思えば、ユヌス流の「担保より人への信頼」のビジネスモデルは重みを持つ。
「人間を、利益最大化の観点だけでみるのは、人間を侮辱すること」。株主資本主義の対極にある社会的ビジネスの重要性をこう意義付けた。
今年初め、国政選挙出馬に動いたが断念した。「私の手に負える範囲でなかった」。実践がさび付いた政治。この点では多くを語らなかったが、政治の流れも変えねば、という思いまで断念したわけでもなさそうだ。
ゲスト / Guest
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ムハマド・ユヌス / Muhammad Yunus
バングラデシュ人民共和国 / People's Republic of Bangladesh
ノーベル平和賞受賞者 / Nobel Peace Prize winner