2007年06月22日 00:00 〜 00:00
カリーム・ハリリ・アフガニスタン副大統領

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会見リポート

国づくりへの苦闘

小田 健 (日本経済新聞論説委員兼編集委員)

ハリリ副大統領が来日する直前の6月17日、首都カブールではタリバン政権崩壊後最悪の自爆テロが起き、90人近い死傷者が出た。日本人2人も負傷した。アフガニスタンの治安の悪さがあらためて印象付けられた。

ところが副大統領は記者会見で、意外にも「治安は良くなっている」と述べた。テロの件数自体は減ってきているという。その一方でテロ対策が最大の懸案の一つであることは認め、特にテロリストが「国外」で再訓練されアフガニスタンに入り込んでいることが問題だと指摘した。

「国外」が具体的にどこであるか副大統領は述べなかったが、パキスタンであると思われる。いくらアフガニスタン国内で取り締まりを強化しても、パキスタンがテロリスト訓練を放置していては効果が限られる、と言いたかったのだろう。

テロ対策はアフガニスタンとパキスタンの協力が進むかどうかが重要なカギのようだ。

副大統領が来日した主な目的は6月21日に東京で開かれた非合法武装集団解体のための国際会議への出席である。この会議は日本政府が主導して開かれた。

日本はこれまでにこうした会議の開催を含め約12億ドルに上る人道支援・復興支援を実施してきた。副大統領は日本の支援に感謝すると繰り返し述べた。感謝される援助は重要だ。

タリバン政権が追放されてから5年以上が経過した。廃墟の中から復興することがいかに困難であったかは想像に難くない。アフガニスタンの明るい未来のため自分たちも真剣に取り組むが、国際社会からの引き続きの支援をお願いしたいとの副大統領の言葉が印象的だった。

ゲスト / Guest

  • カリーム・ハリリ / Karim Khalili

    アフガニスタン / Afghanistan

    副大統領 / Vice President

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