2007年05月28日 00:00 〜 00:00
松本剛明・民主党政調会長/長妻昭・同政調会長代理

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会見リポート

年金旋風、参院選に再び?

大林 尚 (日本経済新聞編集委員兼論説委員)

一昨年秋の郵政選挙以降、民主党は湿っぽくなったと感じていた。与党が衆院の3分の2議席を占めるのだから、それも致し方なかった。しかし参院選を間近に控えたこの時期、輝きを取り戻す可能性がみえてきた。3年前の前回参院選で吹いた年金旋風を再び巻き起こす予感だ。

きっかけは長妻昭衆院議員が調べ上げた「消えた年金」。過去の保険料納付記録について、誰の年金かを社会保険庁が把握していない件数が延べ5千万に達する実態を明らかにした。

転職経験などを持つ人が不安に思って社会保険事務所の窓口を訪ねても、支払い証明を求められて往生する。領収書を保存していても、5年以上前のものは時効を盾に認めてくれない。そんな声を丹念に集めた。

当初、大した問題ではないと高をくくっていた政府・与党はテレビのワイドショーがこの問題を繰り返し始めると、突貫で対策法案を出した。有権者に身近な政策を与野党が競い合うのは望ましい。その恩恵は国民に広く及ぶ。久しぶりに責任野党の奮闘をみた。3年前の参院選は閣僚の年金未納問題などがたたり、自民党が敗北した。今回はどうか。

年金改革は党派を超えて議論するのがいいと松本剛明政調会長は語った。たしかに、社保庁の再生は不可欠だが、その体たらくをあげつらうのは年金改革の本質ではなかろう。消費税を最低保障年金の財源に充てる、アメリカ型の歳入庁創設をめざす。この主張をどういう道筋で実現させるのか。旋風を巻き起こす鍵は、年金改革の本質を社会のすみずみに浸透させられるか否かにかかっている。

ゲスト / Guest

  • 松本剛明 / Matumoto Takeaki

    日本 / Japan

    民主党政調会長 / Agency of Policy Chief, DPJ

  • 長妻昭 / Akira Nagatuma

    日本 / Japan

    同政調会長代理 / Agency of Policy Chief, DPJ

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