2007年03月09日 00:00 〜 00:00
ミハイル・サーカシビリ・グルジア大統領

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会見詳録


会見リポート

NATO早期加盟へ強い意欲

佐藤 親賢 (共同通信外信部)

「(ロシアという)ボートから海に突き落とされてみると、自力で泳げることがわかった。ボートに戻るのと岸まで自分でたどり着くのと、どちらがよいかは明白だ」

ロシア軍将校による「スパイ事件」摘発を契機に最大の貿易相手国ロシアから陸海空の交通や貿易、郵便のやりとりを全面停止される苦境にありながら、へこたれる様子はみじんもない。「おかげで欧州連合(EU)、中東などとの貿易が拡大した。今年は経済成長率14%が目標」と意気軒高だ。

2003年の「バラ革命」で政権の座について以来、親米化路線を突き進んできた。ウクライナのユーシェンコ大統領とともに、旧ソ連圏の「脱ロシア」組の旗振り役。プーチン政権の経済封鎖の真の狙いも、サーカシビリ大統領が進める北大西洋条約機構(NATO)早期加盟の阻止にある。

大統領は「NATO加盟には政治的決定が必要だ」と述べ、この日は加盟時期の見通しには言及しなかったが、イラクに派遣するグルジア部隊の増強や、NATOが展開するアフガニスタンの治安安定化への貢献を強調、早期加盟への強い意欲をあらためて示した。

米国留学で身に付けた堪能な英語も、親ロシアの野党などから「米国の手先」とやゆされる一因となっている。「日本は資源なき国家でも成功できるというモデル。世界の改革勢力にインスピレーションを与える存在だ」と対日関係強化に並々ならぬ意欲を示した。「グルジアのもので日本でも知られているのはヨーグルトと、(関取の)黒海くらいでしょうか」と笑わせた大統領の訪日の締めくくりは、大相撲観戦だった。

ゲスト / Guest

  • ミハイル・サーカシビリ / Mikheil Saakashvil

    グルジア / Georgia

    大統領 / President of Georgia

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