2007年03月16日 00:00 〜 00:00
ミッシェル・アリヨマリ・フランス国防相

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会見リポート

対中国武器禁輸解除で理解求める

池村 俊郎 (読売新聞調査研究本部主任研究員)

フランスは女性国会議員を増やす目的で、パリテ(同等)法を導入している。パリ第1大学助教授から政界に転じたのは同法導入のはるか以前。保守系の有力女性議員として手腕を広く認められてきた人だ。

「防衛省の発足直後の来日、外国の国防相として最初に久間防衛大臣にお目にかかれて光栄でした」

会見をこう切り出し、大臣会談で欧州連合(EU)および北大西洋条約機構(NATO)と日本の国防対話、中国へのEU武器禁輸解除問題、北朝鮮、地域安定への日仏協力──を話し合ったと説明した。

武器禁輸解除ではEU各国の意見も割れるが、天安門事件で実施した禁輸措置は政治的意味を失い、厳格な管理下で輸出を認めた方が健全な対中関係や、軍備透明化につながるというのが従来からフランスの立場だ。「北京五輪へ向けて協力しようというのに、一方では不信を隠さないのは受け入れがたい態度」と述べ、中国軍事力の増強に神経をとがらす日本側に理解を求めた。

また、紛争や内戦が続くアフリカ各地に兵力7千を派遣するフランスは、欧州諸国に支援を求めた平和維持力強化(RECAMP)計画で、アフリカ各国軍の養成訓練や装備強化を図る。アフリカ人自身による平和維持を図る狙いからだ。今回、日本にも正式にRECAMP参画を要請した。フランスは、アフリカ危機対処にかつてない熱意で日仏協力の実現を求めている。

アリヨマリ国防相は、シラク大統領創設の共和国連合(RPR)が危機にあった時、総裁として党分裂を防いだ立役者。5月の新大統領、新内閣発足後も、日仏関係や、対EU関係に欠かせない仏保守政界の重鎮として大切にしたい人である。

ゲスト / Guest

  • ミッシェル・アリヨマリ / Michèle Alliot-Marie

    フランス / France

    国防相 / Minister of Defence

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