2007年02月21日 00:00 〜 00:00
山谷えり子・首相補佐官(教育再生担当)

会見メモ

[付記]公開の方針はその後、撤回された。

会見リポート

身構えるスポークスパーソン

中西 茂 (読売新聞解説部次長)

安倍内閣の一枚看板とも言える教育改革。そのスポークスパーソンだ。昨年10月から、教育再生会議担当室の事務局長として、関係機関との調整役を担い、様々な批判の矢面にも立ってきた。

再生会議は、文部科学省・中央教育審議会や自民党文教族との様々な確執が伝えられてきた。会議の中枢メンバーで詰めた提案は、アドバルーンのように上げては引っ込めることが繰り返され、「迷走」という言葉さえも飛び交った。首相直属の会議といっても、足元は強固ではない。それだけに、事務局長には、官邸を一歩出れば〈7人の敵〉がいるかのように身構えた姿勢が見える。

その姿勢が会見にも表れた。「ゆとり教育の見直し」など、1月に再生会議が出した第一次報告の「7つの提言と4つの緊急対応」の説明に終始した。再生会議の議論に裏打ちされた教育論を聞きたかったが、報告がまとまったときの記者会見との差を見つけるのは難しい。発言のぶれを嫌うとされる首相にならってのことかと言いたくもなる。

それだけに、「中教審もフル回転で充実した審議をいただくことになっている」「中教審のメンバーも、それぞれ、すばらしい方たちばかりで」と、中教審に配慮した発言だけが目立った。

「再生会議で中教審にメスを入れたい」という勇ましい発言が報道されたのは、わずか2週間前、水戸市で行われた講演でのことである。その真意を質問されると、発言そのものをあっさりと否定してみせた。

再生会議はようやく、一部の審議を公開とする方向になった。世論に押された異例の決断だ。公開を機にもっと世論を味方につけてほしい。


ゲスト / Guest

  • 山谷えり子 / Eriko Yamatani

    日本 / Japan

    首相補佐官(教育再生担当) / Special Advisor to the Prime Minister

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