2007年02月06日 00:00 〜 00:00
小沢一郎・民主党代表

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会見詳録


会見リポート

参院選に向けあふれる気力

恵村順一郎 (朝日新聞論説委員)

北九州市長選を制し、愛知県知事選で現職を「あと1歩」まで追いつめてから2日後の会見。夏の参院選に向けて手応えを感じているのだろう、気力にあふれて見えた。

「とにかく参院選で野党で過半数を得る。そこから政局の転換をはかり、我々の思いを政治に反映させていくのが目標だ。今月も来月もその次も、月の半分以上は地方に出る予定にしている」。何はともあれ、選挙、選挙の小沢節である。

興味深かったのは「民主党がめざす社会像は何か、それがいまひとつ分からない」という質問に、じっくり時間をかけて答えたことだ。

「日本という国は平等を政治の旨と心がけてきた。それは結果として官僚統制を招き、規制社会を招く。その社会が今、変化の中で機能し切れなくなり、矛盾が噴出している。米国流の市場主義、自由を重んじるやり方と、安定と平等を重視する日本社会のシステムをうまく調和させる。そんな社会がベストだと思う。新しい日本から、新しい近代国家のモデルを世界に発信する──。そんな見果てぬ夢を見ている」

もうひとつ、意外だったのは小沢氏の「無党派」観だ。

「日本人はだいたい無党派だ。何が何でも自民党、何が何でも民主党という思想的、哲学的な背景をもっていない人が多い」「だから広範な人を包み込みながら、多数を獲得する以外にない。みんなで力をあわせて頑張ることに努力を傾けたい」

広範な人を包み込む。その姿勢こそ、かつての「壊し屋」オザワに欠けていたものではなかったか。

「政権獲得のため、まず私自身を改革する」。昨春、代表就任時の小沢氏の誓いは、少なくともその1点で守られているように見えた。

ゲスト / Guest

  • 小沢一郎 / Ichiro Ozawa

    日本 / Japan

    民主党代表 / DPJ President

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