会見リポート
2007年01月23日
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高原明生・東京大学教授「中国」3
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会見詳録
会見リポート
利害共有─中国の対米外交
丹藤 佳紀 (読売新聞出身)
新年初の研究会「中国外交─中米関係を中心に」で高原教授はこう語った。一昨年、ハーバード大学で送った研究生活の体験を踏まえた講演は、増大する中国の存在を米国はどう見ているか、内容豊かな国際政治の「講義」になった。
中国の対外関係については、日本も米国もともに懸念と期待を抱く。たとえば、最近、中国が宇宙衛星を弾道ミサイルで破壊したという。これについて、日本側には「宇宙で実験を行なった」としか説明せず、塩崎官房長官が王毅大使に抗議した。
そうした現状を理解するための序論では、中国の外交が歴史的・地理的・政治的にどう位置づけられてきたか、簡明に説明された。
白髪の方も多い聴講者には前置きとして受けとめられたようだが、いまどきの大学生にとっては本論に相当したことだろう。
その物静かな語り口がいくつかのトピックでは熱を帯びた。
それを列挙すれば、現在の経済発展をもたらした中国の改革開放路線が米中国交樹立と歩調を合わせたものであったこと、90年代後半から上海協力機構やASEANプラス日中韓など地域間協力への傾斜が目立つこと、胡錦濤=温家宝政権は国内問題の多さ、深刻さに頭を痛め、「平和な国際環境維持」という鄧小平指示をかみしめながら対米・対日外交を展開しようとしている─など。
冒頭に引用した結論部分を聞いた時、かつて高原教授が、憧憬と対抗意識の背中合わせになった中国人の対アメリカ(中国語では「美国」)感情を「美しき帝国主義者」と読み解いたのを思い起こした。
ゲスト / Guest
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高原明生 / Akio Takahara
日本 / Japan
東京大学教授 / Professor, the University of Tokyo
研究テーマ:中国
研究会回数:3