2007年01月24日 00:00 〜 00:00
久間章生・防衛相

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会見詳録


会見リポート

豪放な性格かハト派の本音か

赤座 弘一 (読売新聞編集委員)

安倍首相が年頭の記者会見で、政権100日の成果の一つとして強調したのが、防衛庁の「省」昇格だ。久間氏はその初代トップとして歴史に名を残す。約10年前の橋本内閣でも防衛庁長官を務め、沖縄の米軍普天間基地返還合意をまとめた経験があり、手堅い起用とみられた。ところが、どうもこのところ、発言が物議をかもす事態が続いている。

昨年末、イラク戦争について「日本は政府として支持すると公式に言ったわけではない」と発言し、直後に「不勉強だった」と撤回した。1月上旬には、普天間飛行場の移設問題で、日米両政府が合意したV字滑走路案の修正に柔軟な姿勢を示したのを、首相官邸との不協和音として報じられた。

そうした中での今回の記者会見だったが、またもや波紋を広げる結果になった。「イラク戦争の大義」についての質問に、「イラクに核兵器がさもあるかのような状況で、ブッシュ大統領は踏み切ったのだろうと思うが、その判断が間違っていたと思う」。さらに、米国による戦後処理について、「処方箋がないままだった」と指摘した。

米政府批判とも受け取られる発言に、米側からも厳しい意見が出たという。結局、「(開戦判断に関する)感想を言った。そういうふうにとられたとすれば、もう少し言い方を注意しなければならない」(1月26日の記者会見)と釈明したが、直後にまた普天間関連で米側の姿勢に批判的な発言をして問題になった。

九州男児らしく、細かいことを気にしない豪放な性格が裏目に出ているのか、それともハト派の本音を隠さない確信犯なのか──。安倍内閣の中でも、とくに目が離せない1人であることは確かだ。

ゲスト / Guest

  • 久間章生 / Fumio Kyuma

    日本 / Japan

    防衛相 / The Minister of Defense

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